1999 Fiscal Year Annual Research Report
災害時道路システムの信頼性向上のための重要区間評価法の開発
Project/Area Number |
10650534
|
Research Institution | MEIJO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
若林 拓 (若林 拓史) 名城大学, 都市情報学部, 教授 (00135542)
|
Keywords | 災害時道路システム / 信頼性 / 重要度評価 / 道路網 / 道路網管理運用 / 防災道路網計画 / 災害時の交通管理 / 道路網計画 |
Research Abstract |
阪神・淡路大震災でも再認識されたように,災害や事故等で道路網の一部が機能停止あるいは機能低下した場合でも,ネットワーク全体としては確実で安定した交通サービスをできる限り保証する,いわゆる信頼性の高い道路ネットワークの構築と運用を行うことが重要となっている.道路ネットワークの信頼性が低下する可能性がある場合,ネットワーク信頼性を維持あるいは向上するためのキーとなるリンク,あるいは代替経路を構成する中でも重要なリンクが存在する.このリンクを知ることができれば,効率的なネットワーク強化(耐震性強化)とその強化戦略に合理的な根拠を与えることができる. 以上の目的のため,本研究では道路網の信頼性を評価した上で,ネットワーク構成リンクの重要度を評価できる方法の開発と実証分析を目的としている.このため本研究では,道路網信頼性解析法を, 1)大規模道路網でも適用可能で, 2)しかも交通フローの変化を内生的に取り扱えて迂回交通量の影響も考慮できる, 評価モデル構造としたうえで,リンクの重要度を定量化できる方法を開発した. 得られた成果のうちいくつかは論文として発表している.まず,災害時道路システムの信頼性向上のための重要区間評価法の開発を扱った研究である.阪神地域を対象とした既存道路網と将来道路網に対し,本研究で開発した信頼性解析法と重要区間評価法を適用し,ネットワークの信頼性評価と重要度評価を行った.さらに,これらの研究を発展させたもので,実際の交通量配分に基づいてネットワーク信頼度と確率重要度を求めた研究と,交通工学的観点と地震工学的観点を結合し,地震ハザード,構造物フラジリティ,道路ネットワークを結合してネットワークの総合的信頼度評価および重要度評価をしようとした研究である.後者は現在もなお研究が継続中である. 以上の成果は,2カ年の成果報告書として報告している.
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] Hiroshi Wakabayashi: "Theoretical Flamework for Network Reliability Assessment of Highway Systems under Earthquake Environment."Optimizing Post-Earlhquake Lifeline System Reliability, Technical Council on Lifeline Earthquake Eugineering Monograph. 16. 523-532 (1999)
-
[Publications] 若林 拓史: "迂回交通を考慮した道路ネットワークの連結性評価の重要区間評価"第3回都市直下地震災害総合シンポジウム論文集. -. 509-512 (1998)
-
[Publications] 若林 拓史: "リダンダンシーを有する道路網計画"阪神・淡路大震災の実態調査に基づいた道路安全マネージメントの研究(国際交通安全学会). -. 243-259 (1998)
-
[Publications] 若林 拓史: "交通手段選択における所要時間信頼性の影響と交通サービス途絶時の利用者の意識変化に関する研究"土木学会論文集. No.632/IV-45. 29-40 (1999)
-
[Publications] 若林 拓史: "震災時道路網のエリア規制による交通流の改善効果"第4回都市直下地震災害総合シンポジウム論文集. -. 191-194 (1999)
-
[Publications] 浅岡 克彦: "交通システムを中心とする日米の地震対応計画について"自然災害科学. Vol.18 No.4 印刷中. (2000)
-
[Publications] 阪神・淡路大震災調査報告編集委員会: "阪神・淡路大震災調査報告NO.10 ライフライン施設の被害と復旧"土木学会・地盤工学会・日本機械学会・日本建築学会・日本地震学会. 520 (1998)
-
[Publications] 阪神・淡路大震災調査研究委員会: "大震災に学ぶ:阪神・淡路大震災調査研究委員会報告書"土木学会. 1553 (1998)