1998 Fiscal Year Annual Research Report
水中環境微量有機汚染物質の河川・湖沼底質への収着および脱着速度に関する基礎的研究
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10650540
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
清水 芳久 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20226260)
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Keywords | 収着速度 / 脱着速度 / 湖沼底質 / 多環式芳香族化合物 / 微量有機汚染 |
Research Abstract |
本研究では、収着に特に重要である成分重量比と比表面積を基準にして、7種の単一模擬底質試料{砂(購入)、膨潤性結晶性粘土:モンモリロナイト(購入後精製)、非膨潤性結晶性粘土二カオリナイト(購入後精製)、ケイ酸アルミニウム(生成)、酸化鉄(生成)、酸化マンガン(生成)、フミン質}を調整した。また、3種の複合模擬底質試料(結晶性粘土の表面を非結晶性金属水酸化物で被覆したもの、非結晶性金属水酸化物の表面をフミン質で被覆したもの、結晶性粘土の表面を非結晶性金属水酸化物で被覆し更にその表面をフミン質で被覆したもの)を合成した。 収着させる微量有機汚染物質として、琵琶湖底質中に比較的高濃度で存在する発癌性・変異原性を有する多環式芳香族化合物(非極性物質であるピレンおよび極性物質であるアミノピレンを採用して、模擬底質試料への収着平衡および収着速度を回分式実験により測定した。回分式実験の結果、ピレンおよびアミノピレン共に、主として底質の有機成分(フミン質)に収着されることがわかった。また、極性物質のアミノピレンの場合には、底質の有機炭素重量比が少ないときには無機成分にも収着されることもわかった。更に、ピレンの収着は瞬時に平衡に到達するが、アミノピレンの収着速度は比較的遅いことがわかった。
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