1998 Fiscal Year Annual Research Report
自然環境音の観測に基づく自然環境保全状態の評価に関する研究
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10650542
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
松山 正將 東北工業大学, 工学部・土木工学科, 助教授 (80085464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 吉勝 東北工業大学, 工学部・土木工学科, 技師
花渕 健一 東北工業大学, 工学部・土木工学科, 主任技師
菊地 清文 東北工業大学, 工学部・土木工学科, 助手
鈴木 博司 東北工業大学, 工学部・建築学科, 助手
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Keywords | 環境音 / 自然環境音 / 生活環境音 / 自然環境保全状態 / 等価騒音レベル / 環境測量 / 環境資源 / サウンドスケープ |
Research Abstract |
私たちは、環境資源としての「音」を人間にも他の生物に対しても、より良い生活環境と棲息環境を守り育てて行くための貴重な資産と考えている。したがって、我々周囲の空間に発生する音を騒音という視点ばかりではなく、環境音【大きくその音源により、「自然環境音(非人工的音源)」と「生活環境音(人工的音源)」に分類】としてとらえ直し検討を進めている。 具体的には、自然環境豊かな空間の「自然環境音」を観測分析しその地域固有の音の状況を明らかにすること(例えば、自然林内の尾根や斜面そして沢の水際部等)で、これら分類化された定量値が、自然環境の保全状態を評価しうる一つの尺度になり得るのか試みようとするものである。 定点観測対象地域は3筒所で、穴戸沢は仙台中心街より約25kmほど離れた奥羽山系内、太白山地域は約5km程離れたところに位置する標高320mの独立峰太白山の山麓、青葉の森地域は市街地に最も近い標高約200m以下の定高性の青葉山丘陵地域である。 穴戸沢の定点観測では自然林内の等価騒音レベルの範囲は約36〜58dB、沢沿いでは約59〜70dBという値を得ることができた。これらの値はー測点10分間の録音データに基づくものであり、その地点の音環境を全て反映しているとは言いがたいが、穴戸沢の「地の音」すなわち「自然環境音」のレベルを示しているものと考えている。他の地域についても同様な傾向を示しているが、更に観測と分析が必要である。 自然環境音を人間の可聴域のみと考えるのは不自然であり、人間に聞こえない音が他の生物に与える影響を無視することはできない。本年度購入したヘッド&トルソー(F特性)を、青葉の森地域の観測に普通騒音計(A特性)と同時に導入して、その関わりを分析中である(一部は、土木学会東北支部技術研究発表会概要集pp. 798〜799に報告)。今後もこのような手法を用い、観測地域を拡げ継続観測を通して林内や水辺等の特徴を類型化し、自然環境の保全状態の検討資料づくりを進めたい。
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