1999 Fiscal Year Annual Research Report
臭素酸の生成抑制を考慮した促進酸化法(AOP)による微量有機物質の除去
Project/Area Number |
10650543
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
茂庭 竹生 東海大学, 工学部, 教授 (30056163)
|
Keywords | 臭素酸 / 高度浄水処理 / 促進酸化法 / オゾン処理 / 紫外線 / 過酸化水素 / フミン質 / 消毒副生成物 |
Research Abstract |
浄水処理におけるオゾン処理は異臭味物質の除去や消毒副生成物前駆物質の除去に有効なことが知られており、比較的原水汚染が進行している大都市の浄水施設を中心に導入が進められている。しかし、消毒副生成物前駆物質であるフミン質などの酸化分解が必ずしも十分でないため、より酸化分解力の強い促進酸化法の導入が検討されている。この方法はオゾン処理に紫外線照射や過酸化水素処理等を併用する処理方法の総称であるが、酸化分解力が強いため、健康影響が懸念される新たな副生成物の問題が発生する。特に臭素酸は低濃度で発がん性が指摘されているため、大きな問題となっている。 本研究はオゾン処理を対照とし、オゾン・紫外線処理、オゾン・過酸化水素処理における臭素酸生成機構の解明と生成制御について実験検討を行ったものである。臭素酸への酸化経路は他の研究者によって3経路が示されているが、このうち、鍵になる物質は次亜臭素酸であり、この生成抑制が臭素酸生成抑制に効果的であることが判明した。研究により得られた知見をまとめると以下の通りである。 (1)オゾン処理、オゾン・紫外線処理ではフルボ酸の酸化分解が阻害されるが、オゾン・過酸化水素処理では影響が少ない。 (2)オゾン・紫外線処理では減少した臭化物イオンが全て臭素酸にまで酸化される。 (3)オゾン・過酸化水素処理では臭素酸の生成が見られない。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 柴田信勝,茂庭竹生: "促進酸化法における臭化物イオンのフミン質分解に及ぼす影響と臭素酸イオン生成の制御"水道協会雑誌. Vol.22,No.5,. 409-414 (1999)
-
[Publications] 茂庭竹生,柴田信勝,岡田光正,中島秀和,北木靖: "促進酸化法による有機物質の分解に関する基礎実験"水環境学会誌. Vol.68,No.10(781). 21-30 (1999)
-
[Publications] 柴田信勝,岩永匡紀,茂庭竹生: "拡張SBHモデルを応用した臭素酸イオン生成の反応速度論的基礎検討"水環境学会誌. Vol.22,No.11. 867-874 (1999)
-
[Publications] 加藤康弘,本山信行,星川寛,岡田光正,茂庭竹生: "オゾン処理における臭素酸イオン生成特性に関する検討"第50回全国水道研究発表会講演集. 184-185 (1999)
-
[Publications] 柴田信勝,岩永匡紀,茂庭竹生,前出繁次,川崎照夫: "促進酸化法における臭素酸イオンの生成特性"第50回全国水道研究発表会講演集. 186-187 (1999)
-
[Publications] 岩永匡紀,柴田信勝,茂庭竹生: "促進酸化法による有機物質の分解と臭素酸イオンの生成"第8回オゾン研究発表会発表予定. (未定). (2000)