1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650545
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
綾 日出教 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (60010675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長岡 裕 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (90207986)
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Keywords | 沈殿池 / 密度流 / シミュレーション / 相似 / 上下水道 / 水処理 |
Research Abstract |
沈殿池は相似則を満足させた模型実験は難しい.本研究は,模型実験の代わりに数値シミュレーションによる実験を行うものである.各種の計算スキームを試みた結果,2次精度のSMAC法が最も安定した結果が得られた.差分法と有限要素法のいずれでもほぼ同様な結果であった.時間に関する離散化は,クランクニコルソン法によると最もステップ幅を大きくすることができた.計算結果はアニメーション化し,流線図,濁質濃度分布図,池底沈殿濁質分布図,トレーサー濃度分布図,トレーサー応答曲線,流失濁質濃度時間変化図などを出力した.横流式沈殿池の水深,および表面積負荷を同一とし,平均水平流速を変えて比較した.(池の長さを変える.)粒子の沈降速度は同一とし,理想沈殿池とした場合に流入部より長さ方向に1/3の位置で完全に沈降する速度とした.初期条件として沈殿池内には濁質がないものとし,運転開始とともに所定濃度の濁質を含む水か流入するものとした.水深3m,表面積負荷30m^3/m^2/dayの沈殿池において,流入濁質濃度が400mg/L程度までは,水平方向に流入した流れは,下向きに流れて底部にに沿った流れとなる.粒子の沈降が終了すると,流れは底部から離れて上昇し越流部に向かう.このため池の上流部の上部に死水域が発生し,下流部では底部に死水域ができる.流入濁質濃度が1,000mg/Lを超えると.上部に発生する死水域が広がり,底部を流れる濁質を含め流れが池の末端まで到達する.このため沈殿効率は劣化する.この傾向は,平均水平流速が遅い(短い)池ほど著しい.本現象は,経験的な法則に合致している.
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[Publications] 荒川潤一郎: "横流式沈殿池の数値シミュレーション、沈降が悪い粒子が流況に及ぼす影響" 第50回全国水道研究発表会講演集. 50. 2 (1999)
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[Publications] 荒川潤一郎: "沈殿池の数値シミュレーション、粒子の沈降速度とフルード数による流況の変化" 第26回土木学会関東支部技術研究発表会講演集. II-32 26. 222-223 (1999)
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[Publications] 大沢延実: "沈殿池の数値シミュレーション、横流式沈殿池と放射流式沈殿池の比較" 第41回全国水道研究発表会講演集. 49. 88-89 (1998)