1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650560
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
山田 聖志 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (50134028)
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Keywords | 繊維複合材料 / 接合部 / 接着接合 / ファスナー接合 / FRP形材 |
Research Abstract |
Eガラス繊維と不飽和ポリエステル樹脂で構成される連続引抜成形FRP形材の接合部の基本的な力学性状を解明することを目的として、合計で68体の載荷実験を実施した。試験体は、H形断面形材や箱形断面形材などのフランジやウェブの板要素を想定して、幅65mm,厚さ4mm,長さ300mmの母材を、(R)軸直径d=4.8mmの鋼リベット: (B)軸直径d=6mmの鋼ボルト:(A)エポキシ系接着剤のいずれかを用いて、せん断面が2面の接合方式を採用したものである。 11項目について検討した結果を以下に示す。 (1)FRP母材を、FRP添板に接合したときと鋼板添板に接合した時の耐力の相違は無視できる。(2)リベット接合における本数が多くなる程、耐力はほぼ比例的に上昇する。(3)リベット接合における端あきeが大きくなる程、耐力は上昇し、e=2d,3dではせん断抜け破壊型であったのに対し、e=4dでは支圧破壊型に変化する。(4)リベット接合におけるピッチwについては、w=2d,3dではせん断抜け破壊型であったのに対し、w=4dでは支圧破壊型に変化する。(5)リベット接合における接合材間の摩擦が耐力に及ぼす影響は小さく無視できる。(6)ボルト接合における接合材間の摩擦の存在で、ボルト締め力の大きい程耐力は上昇する。(7)以上のファスナ接合でのリベットとボルトを用いることの相違は主としてボルト締め力の効果で、グリースを貼付して摩擦を除去すれば両者の平均支圧接合耐力はほぼ一致する。(8)ファスナ接合で板幅方向の引張力による破壊は、主繊維方向のせん断破壊型である。(9)接着接合の初期剛性は大きく、耐力は接着長さLが大きくなるほど大きく、破壊はマット層のせん断破壊型で脆性的に生ずる。(10)このマット層を除去した接着接合では主繊維層でせん断破壊し、10%程度の耐力上昇する。(11)接着接合にファスナ接合を併用しても、耐力上昇は期待できない。
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