2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650560
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
山田 聖志 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (50134028)
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Keywords | 繊維複合材料 / 接合部 / FRP形材 |
Research Abstract |
Eガラス繊維と不飽和ポリエステル樹脂で構成される連続引抜成形FRP形材の接合部の基本的な力学性状を解明することを目的として,一昨年度並びに昨年度に行った継手接合部の実験結果をもとに,新しい耐力予測法を提案するとともに,柱梁接合部の載荷実験を実施した。すなわち,先ず,アコーステックエミッション計測をもととした耐力予測法の提案と実験結果との比較から,初期不整を有する圧縮柱との現象のアナロジーを利用して最大耐力を推定した結果,実験値との比は,0.8〜1.2の範囲にあり,本予測法により接合部の破壊耐力の推定が概略可能であることを明らかにした。 次に,新たに柱梁接合部の曲げ実験を行った。試験体はいずれも柱通し型であり,柱材・梁材とも成10cmで幅10cmの引抜成形H形材であり,エポキシ系接着剤によって接合されている。接合部補剛材としてFRPアングル材を用いたもの,アングル形鋼を用いたもの,並びに母材のマット材を通常のストランドマットを使用したもの,チョップ付クロスマットを用いたものと接合詳細を変化させ4体の三点曲げ実験を行った。それらについて耐力・変形・破壊形式を比較分析した結果,以下の点が明らかになった。 1.接合形式,補剛材,マット材の種類により,接合部の最大耐力だけでなく,破壊形式と最大耐力後の応力の伝達性能(靭性)は大きく異なる。 2.母材マット材にチョップ付クロスマットを用いることで,最大耐力後の靭性を向上させることが可能である。 3.通し柱の接合部にスチフナーを設置することで,接合部剛性の改善と大幅な接合部耐力の向上が計れる。
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