1998 Fiscal Year Annual Research Report
劣化型応力ひずみ関係に従う要素を内在する弾塑性骨組の臨界挙動解析法の開発
Project/Area Number |
10650563
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
森迫 清貴 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (90127168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 聖晃 京都工芸繊維大学, 大学院・工芸科学研究科, 講師 (00243121)
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Keywords | 劣化型応力ひずみ関係 / 梁柱有限要素法 / 弾塑性骨組 / 局部座屈 / 臨界挙動 / 整合剛性行列形成アルゴリズム / つり合い経路制御パラメータ / 固有値 |
Research Abstract |
最近の建築構造設計では,終局安全性に対する限界性能の把握が要求されている。終局安全性の直接的基準となる構造物の崩壊に至るまでの数値シミュレーションでは,コンクリートの材料劣化,あるいは鋼材の破断などの材料モデルとして,負勾配を含むひずみ劣化型の応力ひずみ関係モデルの導入が必要である。本年度は,研究代表者が開発してきた高精度梁-柱有限要素解析法に,要素の応力ひずみ関係モデルが負勾配の劣化域を有するような場合にも,既提案の最小固有値の符号変化を用いた整合剛性行列形成アルゴリズムによって,適切な経路制御パラメータが選択され,終局状態までのつり合い経路解析が行えることを確認した。その内容は,11.研究発表に記した論文の一部として掲載している。そのアルゴリズムを使用した解析では,一つの要素が劣化域に入ると他の要素の塑性化は進まず,その要素の劣化のみで全体耐力が低下する結果が与えられる。すなわち要素長の設定の仕方が解析結果を大きく支配することになる。それゆえ鋼骨組の局部座屈挙動などの予測では,モデル化の際の要素長の設定法が重要となる。このことについて,今後,実験報告などに対する数多くのシミュレーションを行い,適切な設定法を検討し提案する予定である。鉄骨破断後の解析についての検討も行う。また,現在の方法では,コンクリートの亀裂進展や圧壊などの現象の拡がりを予測することはできない。この問題への対処法についても検討予定である。
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Research Products
(1 results)