1998 Fiscal Year Annual Research Report
鋼構造柱-はり溶接接合部の低サイクル疲労に関する研究
Project/Area Number |
10650573
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
見村 博明 東京電機大学, 理工学部, 教授 (00057233)
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Keywords | 柱-はり接合部 / 溶接 / 低サイクル疲労 / き裂進展 |
Research Abstract |
鋼構造柱-はり溶接接合試験体は側柱に付くはりを想定したト型形式で、実大の1/2とした。柱には角形鋼管(□-200x200x8,STHK490)、はりはH-200x100x5.5x8(SM400)を用いた。柱には通しダイアフラムを用い、はりとの接合はノンスカラシップ形式とし、裏当て金が有る場合と無い場合の2種類とし、各6体の試験体を製作した。溶接は炭酸ガスアーク溶接とした。 実験ははり端の変位がはりの全塑性モーメント時の弾性変位(δ_p)の1.0〜2.0となるような両振り振幅とし、この時のはりフランジ溶接部近傍のひずみ値と疲労き裂発生、及び破断時繰り返し回数の関系を求めた。 破壊形式は裏当ての無い試験体では繰り返し変位振幅の大きさに依らず、全ての郎験体ともダイアフラムとフランジの突き合わせ溶接の止端部でかつフランジの縁からき裂が生以フランジ全幅にき裂が進展して崩壊に至った。裏当て金が有る試験体では変位振幅が1.25δ_p以下では裏当て金の端部から遠い側からき裂が発生しフランジ全幅を貫通する。変位振陥が1.5δ_p以上ではタイアフラムとフランジの突き合わせ溶接止端部からき裂が発生し、そのき裂がフランジ全軸を貫通し崩壊に至った。 き裂の発生寿命、及び破断寿命は両タイプの試験体とも繰り返し変位振幅の増加と共に減少するが、裏当て金の有無に依る影響よ大きく、裏当て金が有る場合はき裂発生寿命、破断寿命とも裏当て金が無い場合よりも長寿命側になり、その場合はき裂寿命、及び破断寿命とも約2.5倍の伸びとなった。この差異が何に起因するかは今後の検討課題としたい。
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