1999 Fiscal Year Annual Research Report
鉄筋コンクリート部材と鉄骨部材が直列的に結合される接合部の性能評価法
Project/Area Number |
10650578
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
西村 泰志 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10102998)
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Keywords | ハイブリッド構造 / RCS継手接合部 / 埋込長さ / 性能改善法 / てこ機構 / トラス機構 / 支圧強度 / 摩擦強度 |
Research Abstract |
平成10年度は、鉄筋コンクリート部材と鉄骨部材が直列的に結合される接合部(継手部等に対応する)の応力伝達機構を明らかにするために、鉄筋コンクリート部材に埋込まれる鉄骨部材の長さを実験変数とする載荷実験が行われた。 平成11年度は、平成10年度の結果に基づいて、部材の耐力を発揮できなかった埋込長さを対象として、部材の性能を発揮させるためには、継手部にどのような補強を行えば良いか実験的に検討した。対象とした埋込長さは、鉄骨せいの2倍である。補強方法としては、平成10年度に提案された応力伝達機構に基づいて、継手部の鉄筋コンクリート部分のせん断耐力を増大させるためにX形配筋を施したもの、埋込まれた鉄骨部分のてこ作用によって生ずる支圧力を鉄筋コンクリート部分に効率的に伝達するために鉄骨埋込始点および端部にせん断補強筋を集中的に配筋したものおよび鉄骨埋込端部にエンドプレートを設け、エンドプレートに生ずる曲げ引張力に抵抗させるために、鉄筋コンクリート部分に腹筋と鉄骨ウェブを貫通するせん断補強筋を配したものの3種類である。なお、比較のために無補強の試験体も計画された。実験は、基本的な観点から、継手部に純曲げモーメントを負荷するものである。 X形配筋を施した試験体は、鉄骨部材の曲げ耐力を発揮させることができるが、最大耐力発揮後急激に耐力が低下する。一方、鉄骨埋込始点および端部にせん断補強筋を集中的に配筋した試験体および鉄筋コンクリート部分に腹筋と鉄骨ウェブを貫通するせん断補強筋を配した試験体は、無補強あるいはX形配筋を施した試験体に見られた斜張力ひび割れの発生は少なく、部材の耐力発揮後も変形の増大に伴って耐力は上昇し、典型的な部材の曲げ破壊を起こさせることができ、応力伝達機構に基づく補強方法の妥当性が示された。
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Research Products
(2 results)