1999 Fiscal Year Annual Research Report
溶接欠陥を有する接合部の脆性破壊の研究--鉄骨の品質管理への実用化を目指す
Project/Area Number |
10650581
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Research Institution | Kumamoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
黒羽 啓明 熊本工業大学, 工学部, 教授 (30040372)
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Keywords | 溶接 / 脆性破壊 / CTOD / FAD / 品質管理 / 応力集中 / 塑性拘束 / 延性きれつ |
Research Abstract |
研究目的 兵庫県南部地震で数多く見られたような大きな塑性歪をうけてから生じる高応力脆性破壊の発生を、定量的に予測できるようにして、溶接構造物の品質管理基準を策定しようとしている。 本年度の研究成果 過去に実験した人工溶接欠陥を挿入した柱梁接合部を、非線形有限要素解析により数値モデル化し、CTOD(亀裂先端開口変位)設計曲線を利用して脆性破壊発生の可能性を照査した。実験で脆性破壊および延性破壊したものに対して、数値モデルで脆性破壊しないと判定され、実験で破壊しなかったものに対しては、数値モデルで破壊しないと判定され、数値モデルは実験を再現する結果となった。さらに、より単純な溶接T継手の溶接止端部に疲労亀裂を挿入した供試体の破壊実験を行い、FAD(破壊評価線図)の手法を用いて脆性破壊発生の可能性を照査した。この実験についても、非線形有限要素解析による数値モデル化を行った。数値モデルによれば、溶接T継手の抵抗力は丁度FAD曲線上にプロットされ、脆性破壊の可能性を示唆するものであった。実験では、脆性破壊は生じたが、FAD曲線の限界より遥かに大きい抵抗力を示し、かつ、延性亀裂が大きく進展したあとで破壊した。以上の実験および解析結果から、亀裂先端における塑性拘束と限界CTODの関係、脆性破壊に先行する延性亀裂が脆性破壊の発生に及ぼす影響の2点が今後の主な研究課題であることが分かった。CTOD設計曲線およびFADは、本来実務設計に応用するために開発されたものであるが、非線形有限要素解析と組み合わせることにより、脆性破壊の危険度を予測する有力な手法となり、品質管理基準の設定に応用できることが明らかになった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 岩下 勉: "溶接止端部に疲労亀裂を有するT継手の破壊に関する研究-異なる載荷方法による検討-"日本建築学会九州支部研究報告. 38号・1. 485-488 (1999)
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[Publications] Iwashita,Tsutomu: "Fracture from Fatigue Cracks Installed Weld Toes of Plate-to-Plate T-joints"Proc.of 9th Int,Offshore and Polar Engineering Conf.,Brest,France.. Vol,IV. 33-38 (1999)
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[Publications] 東,康二: "欠陥を有する溶接T継手の破壊評価に関する研究(その1)"日本建築学会大会学術講演梗概集. 構造C. 487-488 (1999)
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[Publications] 岩下,勉: "欠陥を有する溶接T継手の破壊評価に関する研究(その2)"日本建築学会大会学術講演梗概集. 構造C. 489-900 (1999)
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[Publications] 岩下,勉: "往復載荷を受けた欠陥を有する溶接T継手の破壊評価に関する研究"日本建築学会吸収支部研究報告. 39号1. 589-592 (2000)
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[Publications] Azuma,Koji: "Cyclic Testing of Beam-to-Column Connections Weld Defects and As-sessment of Sefety of Numerically Modeled Connectins from Brittle Fracture"Engineering Structures,The Joumal of Earthquake,Wind and Ocean Engineering,. (発表予定). (2000)