1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650587
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
相良 和伸 三重大学, 工学部, 教授 (30109285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北野 博亮 三重大学, 工学部, 助手 (80293801)
寺島 貴根 三重大学, 工学部, 助教授 (90217422)
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Keywords | 蓄熱 / 異常 / 検知 / 診断 / 空調 / ファジイ / エキスパートシステム / シミュレーション |
Research Abstract |
本研究では、蓄熱式空調システムの最適運転の実現を最終目標として、システム全体の異常検知・診断を可能とするために、蓄熱運転の評価指標の検討、異常検知手法の開発、異常原因の診断手法の開発、シミュレーションによる最適運転法の検討の研究を行うものであり、平成10年度は以下の研究を行った。 1. 冷暖房負荷、熱源出力、蓄熱槽容量のシステムの制約下で、効率の良い蓄熱運転がどの程度実施されているかを的確に評価するための運転評価指標を検討し、ピークシフトとピークカットに関してそれぞれ3種類の評価指標を提案し、実稼働システムの実測データを用いてこれらの評価指標の有効性を確認した。 2. システムの異常原因の診断を支援するためのエキスパートシステム構築のために、診断論理演算の中核となるファジィアブダクションの基本プラグラムを異常原因と症状を関係づけた知識データベースと組み合わせて、検知情報を与えると異常原因が出力されるエキスパートシステムを今年度購入したワークステーション上に作成した。そして、蓄熱式空調システムの運転異常およびシステム構成機器の代表的な異常である熱源出口温度制御用入口三方弁の異常と熱源容量制御の異常について、ピークシフトとピークカットに関する運転評価結果および熱源入口温度と蓄熱槽内の計測水温を統計処理することにより異常を検知し、原因を診断するエキスパートシステムの試行を行い、検知症状と異常原因との関係の強さの程度、検知症状の強さを与えるメンバーシップ関数の設定が診断結果に与える影響を検討した。 3. 実稼働システムの実測データを利用して蓄熱槽の物理モデルを用いて推定された槽内温度分布を実測温度と比較することにより、槽内流量、熱源側流量、空調機側流量の推定と共に空調機コイル特性の推定を行う手法を試行し、槽内流量については比較的精度の高い推定が可能であることを明らかにした。
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