1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650603
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
青木 義次 東京工業大学, 工学部, 教授 (80159300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 芳郎 東京工業大学, 工学部, 助手 (10293044)
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Keywords | 生命進化 / 建築形態 / 最適化 / 遺伝的アルゴリズム |
Research Abstract |
本研究の目的は,遺伝的アルゴリズム(GA)をもとに,ある特定の性能を最適とするような建築形態が,効率よく求められる手法を開発することである。本年度の研究実施計画に関し,得られた成果を以下に示す。 1. 建築形態最適化手法の開発 3次元的な形状の最適化を試みると困難な場合が多い。この困難性の主要な原因は,形状の持つ複雑さにある。具体的には,部分形状の組合せの仕方とその組合せ数が膨大となり,たとえコンピュータを利用したとしても,すべての可能な形状の組合せを探索していくことが不可能なオーダーとなってしまい(これを組合せ困難性とよぶ),また形状の複雑さから,工学的性能を求めることが容易でないという問題がある(これを評価計算困難性とよぶ)。組合せ困難性に対しては,GAが有効であることを確認している。本研究では評価計算困難性に対し,正確な工学手続きで建物形状の性能値を求める計算を数回おこない,これをもとに建物形状と性能値のより単純な関数関係をニューラルネットワークで学習し,学習した関数関係を用いて建物形状から性能値を推定するという手法をGAの中にとりいれた。これにより,実際に性能値を計算する建物形状の数が少なくできるため,評価計算の計算量を大幅に減らすことができることを,具体的に冬至の受熱エネルギーを最大にする住棟形態を例に求め,本手法の計算効率性を確認した。 2. 建築形態記述方法の整備 GAによる最適化では,建物の形状を染色体とよばれる記号列で記述し,交叉などのGA特有の操作を施していくことで最適解を探索する。本研究では,既存の記号表記上での交叉法ではなく,部分形状を保存しながら組み合わせることで新たな形状を生成する交叉法を提案し,この交叉方法を実現できる染色体表記を提案し,前述の住棟形態最適化で具体的に示した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 青木義次: "評価基準の学習をとりいれた遺伝的アルゴリズムによる建物形状の最適化" 日本建築学会計画系論文集. 第514号. 141-146 (1998)
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[Publications] 青木義次: "知的システムによる建築・都市の創造" 技報堂出版, 208 (1998)