1998 Fiscal Year Annual Research Report
GISを用いた都市環境管理計画策定支援システムの開発と途上国への適用
Project/Area Number |
10650606
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
大貝 彰 豊橋技術科学大学, 体育・保健センター, 助教授 (10160433)
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Keywords | 地理情報システム / 計画支援システム / 都市環境管理 / 人工衛星データ / 開発途上国 / セルラーオートマタ / 都市成長モデル |
Research Abstract |
本年度の実施計画に従い、以下の2つの課題を中心に研究を進めた。それぞれの内容と成果をまとめる。 1. GISによる環境関連情報データベースと現況把握システムの開発:今年度は韓国木浦市を対象にシステムの試験的開発を試みた。まず日本の既往環境管理計画の整理からデータ項目を洗いだし、これらをGISのデータベースとして構築、そして標準的なGIS機能を用いて都市環境現況を視覚的に把握可能なシステムを開発した。これらより、さまさまな形で存在する都市環境情報をGIS上で一括管理できること、それらを組み合わせて新たな情報を獲得、表示できること等、システムの利点を示した。さらに予備的な環境管理支援エキスパートシステムとGISの統合は、それにより推論に必要なデータをデータベースから作成可能なこと、推論結果は視覚的表現に加え、結論に至った理由を地図上の場所と関連づけて表示できること等、環境管理計画の立案に役立つことを示した。 2. セルラーオートマタによる都市域拡大化予測のための予備モデル開発:既往研究のレビューを行い、Batty&Xieモデルが、その構造は極めて単純であるが、距離減衰パラメータと開発圧力の及ぶ近傍の範囲を変化させることで出現する都市パターンを制御でき、さまざまな都市モデルへの発展、応用が可能であることを指摘した。またその挙動分析から分散、集塊、クラスター等の市街地パターンが得られることを確認し、現実の都市成長プロセスをシミュレートするモデルへの方向性を明らかにした。これらの成果を踏まえ、現在は東三河地域を対象に過去100年間の市街地拡大化プロセスをシミュレートするモデルの開発を進めている。現時点の課題としてはモデル構造の精緻化、形態評価指標とキャリブレーション技法の開発、GISとの統合などがあり、来年度以降は、これらの課題を探求しながら、韓国及び途上国への適用を進める予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 渡辺公次郎: "都市環境管理支援のためのファジィエキスパートシステムの開発" 日本建築学会東海支部研究報告集. 36. 701-704 (1998)
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[Publications] 渡辺公次郎: "開発途上国における都市環境管理支援のためのファジィエキスパートシステムの開発" 日本建築学会大会学術講演梗概集. F-1. 923-924 (1998)
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[Publications] 五十嵐 誠: "セルラーオートマタ都市成長モデルのフィジビリティスタディ" 日本建築学会大会学術講演梗概集. F-1. 431-432 (1998)
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[Publications] 渡辺公次郎: "都市環境情報データベースシステムの開発" 日本建築学会東海支部研究報告集. 37. 801-804 (1999)
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[Publications] 居林 征雄: "都市計画支援ツール開発のための都市情報データベースの構築" 日本建築学会東海支部研究報告集. 37. 805-808 (1999)