1999 Fiscal Year Annual Research Report
GISを用いた都市環境管理計画策定支援システムの開発と途上国への適用
Project/Area Number |
10650606
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
大貝 彰 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (10160433)
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Keywords | 地理情報システム / 計画支援システム / 都市環境管理 / 開発途上国 / セルラーオートマタ / 都市域拡大変化 |
Research Abstract |
1.セルラーオートマタ(CA)による都市域拡大予測シミュレーションシステムの開発:(1)Batty&Xieモデルを発展改良した独自の市街地拡大変化予測モデルを構築し,これを東三河地域へ適用して過去およそ100年間の市街地拡大変化シミュレートし,キャリブレーションでは,形態評価指標としてクラマーのコンティンジェンシー係数,ユールの連関係数,フラクタル理論の半径次元を用い,推定結果と観測結果の比較を行い,歴史的な市街地形成過程をほぼ再現できることを示した.(2)また市街地分布パターンに影響を与えるパラメータの感度分析を行い,将来の市街地拡大変化を予測する際の有効なパラメータであることを確認した.(3)さらに開発したモデルの汎用性をみるため韓国木浦市へも適用し,ほぼ妥当な再現性を得た.以上,CAを用いたボトムアップ的手法による都市形態シミュレーションモデルの有効性と可能性を示した.現在はスリランカ・コロンボ都市圏へ適用して,開発シナリオに基づく将来の市街地拡大変化シミュレーションシステムへ展開している. 2.GISによる環境関連情報データベースと現況把握システムの途上国への適用:(1)PC上で稼動する地理情報システムソフトウェアArcView3.1を用いて,スリランカ・コロンボ都市圏を対象に環境情報データベースを構築,都市環境の現況把握が定量的,空間的に可能なシステムを開発した.(2)さらにすでに研究成果として公表した環境管理支援エキスパートシステムとArcViewを統合させ,環境管理のための環境ゾーニングマップ案の作成ができ,他の空間計画への環境管理ガイドラインやゾーニング指定の根拠等をユーザに提示可能なシステムを開発した.最終年度は現システムに上記CAモデルを組み込み,様々な都市開発シナリオに対する市街地拡大予測と環境影響の相互関係の把握が可能な計画支援システムへ発展させる.
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[Publications] 渡辺公次郎: "人工衛星データを用いた都市環境管理支援エキスパートシステムの開発と開発途上国への適用"日本建築学会計画系論文集. 523. 203-210 (1999)
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[Publications] 渡辺公次郎: "セルラーオートマタ都市成長モデルの開発 その1〜その3"日本建築学会大会学術講演梗概集. F-1. 115-120 (1999)
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[Publications] 大貝 彰: "パーソナルコンピュータ上で稼動するGISを用いた土地利用計画策定支援ツールの試験的開発"日本都市計画学会学術研究論文集. 34. 751-756 (1999)
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[Publications] Kojiro Watanabe: "Development of GIS-based Urban Development Planning Support System with Environmental Management"Proc.2nd Int.Sympo.City Planning and Environmental Management in Asian Countries. 2. 1-11 (2000)
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[Publications] Akira Ohgai: "Urban Growth Modelling by means of Cellular Automata"Proc.2nd Int.Sympo.City Planning and Environmental Management in Asian Countries. 2. 193-202 (2000)
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[Publications] 渡辺公次郎: "開発途上国における環境管理を考慮した都市開発計画立案支援システムの開発"日本建築学会東海支部研究報告集. 38. 757-760 (2000)