1999 Fiscal Year Annual Research Report
福祉居住拠点としての農村地域・農村居住施設の役割と高齢者の安定的居住条件-阪神淡路大震災の「高齢者疎開」と高齢者の「農村移住」に着目して-
Project/Area Number |
10650613
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山崎 寿一 神戸大学, 工学部, 助教授 (20191265)
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Keywords | 福祉居住 / 高令者 / 居住継続 / 被災疎開 / 阪神淡路大震災 / 過疎地域 / 隠居慣行 / 都市農村交流 |
Research Abstract |
本年度は、これまでに実施した郵送アンケート調査で得られたデーターの整理、分析作業と追加調査を実施し、その成果の一部を論文にまとめた。 具体的には、まず、「被災後の高齢者の移住に関する調査」「被災後の児童・生徒の転校状況に関する調査」「西日本過疎自治体への震災支援調査」の資料整理と分析を行い、ア)被災後の児童・生徒の転校は、西日本各地と名古屋・東京の大都市圏に分布する傾向があり、特に児童・生徒の親の出身地域への疎開が顕著であること、イ)阪神間への転出者が多い過疎自治体では被災地への支援が多く、特に親戚の高齢者・子供の受け入れ等は従前からの血縁交流がその要因となっていることを明らかにし、日常的な都市・農村交流、実家との交流によって被災者の農村疎開、被災地への支援が行われたことを確認した。また三重県阿児町国府地区、島根県大社町鵜鷺地区を対象に高齢者居住の実態、隠居慣行による二世代居住の実態を調査し、高齢者の安定的居住条件に関わる基本データーの収集を行った。この調査結果の分析は次年度に行う予定である。 その他、今年度は、ユニークな高齢者居住施策を実施する自治体や地域の現地視察、資料収集を行っており、それら収集資料の整理・分析作業を行った後、次年度には研究の総括を行う予定である。
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[Publications] 山崎寿一: "阪神・淡路大震災における過疎農村からの支援-西日本過疎自治体アンケート調査'96報告(概要)-"日本建築学会大会学術講演*概集(E-2). E-2. 537-538 (1999)
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[Publications] 山崎寿一(阪神・淡路大震災調査報告,編集委員会): "阪神・淡路大震災調査報告 建築編-10 都市計画 農漁村計画"丸善. 466 (1999)