1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650617
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
畑 聰一 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (80104909)
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Keywords | 離島集落 / 共同性 / 再生手法 / ライフサイクル / ライフステージ / 路地 / 3階建住居 / 住まい方 |
Research Abstract |
初年度の平成10年8月には、三重県、答志集落の5回目のフィールドワークを行い、住居・集落の空間構成の現況を把握するとともに、住意識、住まい方、集落生活の実態などを把握した。この平成10年度の調査は、長年にわたる伊勢湾離島漁村の基礎的な調査研究の締めくくりとして行ったものである。調査は8月17日から3週間をかけて実施し、過去4回の調査で対象とした同じ120戸の住居について、悉皆調査を行った。 平成10年度調査のデータをまとめ、一応の集計、分析作業を終了した時点で、さらに1978、1983、1988、1993年に行った同じ内容の調査結果と突き合わせを行い、答志の住居・集落空間の経時的な変化と居住意識の変化や、住まい方の変化についての実態把握を行った。答志集落における過去20年間の変化は周辺の地域に較べて緩やかであったが、この間の建て替えは3階建住居への更新が住まい方とともに定着し、持続されている部分とともに変容の側面も明らかになった。現在は、この5年おきに5回行った計20年に及ぶ調査結果の持続と変容の側面についてさらに詳細な分析を進めている。例えば、一方で住居、集落におけるライフスタイルやライフサイクルを動態的に把握するとともに、もう一方で、共同性が時間とともに変容する仕組みを追求している。 一方、平成11年2月末から約1週間、次年度の研究活動を意識しながら、答志集落の調査を行っている。ここでは、集落空間を規定する社会的な側面について、おもに古老からの聞き取りを行うとともに、島民の「路地」に対する意識、とくに『共同性』にかかわる意識を聞き取った。平成10年度に行ったこれらの成果については、平成11年度の学会等で論文発表を行う予定である。
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