1999 Fiscal Year Annual Research Report
高齢化に対応した環境重視の都市像・コンパクトシティ論の検討と提案-日韓独比較
Project/Area Number |
10650622
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Research Institution | MEIJO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
海道 清信 名城大学, 都市情報学部, 助教授 (80278332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 耕司 , 助教授 (80220599)
片木 克男 米子工業高等専門学校, 建築学科, 教授 (30043607)
水原 渉 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (70166031)
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Keywords | コンパクトシテイ / 環境共生 / サスティナブルシティ / 地方都市 / ドイツ都市 / 戸外生活行動 / ヨーロッパ共同体 |
Research Abstract |
コンパクトシティは、20世紀末の欧州において、地球環境問題の深刻さへの対応として登場し、EUの政策として進められている。その理念:密度-人口密度が高い、交通-地域交通移動が少い・特に自動車交通依存度が低い、土地利用-土地利用が複合的で高度利用されている、境界-都市と農村、地域の区分が明確である、自足性-生活機能の地域的自足性がある、自律性-地域自治が確保されている。その効果は:(1)自動車交通に伴う化石燃料消費、CO2発生削減、(2)施設やサービスヘの接近性改善、(3)大気汚染や騒音、交通事故の危険減少、(4)農村景観や自然環境の保全、(5)市街地中心の活性化の維持増進、(6)都市の個性の維持再生(歴史的な市街地環境)、(7)徒歩と自転車利用による地域サービス施設が利用、(8)移動コスト低減とエネルギー消費削減、(9)社会的階層ミックスによる地域社会の安定、(10)生活の質の向上・ビジネスやサービスヘの好影響、(11)社会的公平性の達成、(12)全体として高い生活の質の実現、(13)全体として都市の持続可能性の向上。コンパクトシティの都市構造には、ワンコア型、自立都市の連携、ネットワーク型がある。近隣-町-都市-広域という重層的都市構造をコンパクトシティの理念と手法で計画、実現すべきである。近隣計画ではアーバンビレッジの考え方が有効である。環境問題、高齢化に対応した都市構造の再編整備のため、土地利用計画-交通計画-環境計画を統合することが重要である。地方都市や大都市縁辺部での自動車依存型の地域構造、大都市市街地でのインナーシティ問題への対応のためには、日本型コンパクトシティの理念-伝統的な町の構造維持、施設や住宅の郊外立地抑制と脱自動車による街中再生、市街地内の空間の有効利用、近隣の再構成、近隣/町/都市/地域の多層・多重構造の自治体・広域連携空間計画の確立と運用、近隣土地利用計画立案など-が有効である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 片木 克男: "初期郊外住宅市街地における高齢者の居住動向に関する研究"日本建築学会中国支部研究報告集. 21. 561-564 (1998)
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[Publications] 海道 清信: "コンパクトシティ論と中心市街地再生-英国での論議及びドイツ都市との比較から-"都市計画. 220. 13-16 (1999)
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[Publications] 片木 克男: "食料品スーパー利用圏の階層特性について-生活利便施設利用からみた地方中小都市の居住地構造に関する研究その1"日本建築学会中国支部研究報告集. 22. 477-480 (1999)
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[Publications] 海道 清信: "コンパクトシテイ・コンセプトの形成過程に関する考察-欧州を中心に-"都市情報学研究. 5. 39-55 (2000)
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[Publications] 三村浩史他編著: "地域共生のまちづくり-地域空間計画学の現代的展開"学芸出版社. 382 (1998)
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[Publications] 海道清信監訳: "コンパクトシティ-持続可能な都市形態を求めて"阪神淡路震災復興ネットワーク. 250 (2000)