2000 Fiscal Year Annual Research Report
駅ターミナル空間における情報(視覚・聴覚)障害者の探索行動実験
Project/Area Number |
10650626
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
森 一彦 大阪市立大学, 生活科学部, 助教授 (40190988)
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Keywords | 探索行動 / 迷い行動 / 情報障害者 / 駅 / ユニバーサルデザイン |
Research Abstract |
(目的)本研究はその公的環境の中で駅ターミナル施設に着目し、情報(視覚・聴覚)障害者の探索行動の特徴を明らかにすることを目的とした。 (方法)具体的には、視覚障害者・聴覚障害者および比較のための健常者の探索行動実験を行い、情報(視覚・聴覚)障害者の探索行動の特徴を分析した。特に探索行動時の探索方法の内容および情報入手の状況を整理し、そのデータを基に被験者相互の迷い行動を比較分析した。 (本年度の研究成果)本年度は研究の最終年度として探索行動の総合分析を行い、以下の知見を得た。 (1)情報障害者は、入手情報が制限されるものの、適切に情報が提供されれば、迷うことなく目的のプラットホームに到達する事ができる。 (2)むしろ、健常者の方が複数の情報が入手可能なため、色々な行動が誘発されやすく、結果的に「迷い」が大きくなるケースが多くあった。 (3)聴覚障害者は健常者に類似した傾向があるものの、補足データとしての聴覚的な情報が乏しく、迷いやすく、状況判断しにくく慎重な行動になる傾向がある。 (4)視覚障害者は点字などのサインよりも、その場所に置かれたもの・機器を手がかりとし、場所・方向を認知して行動する傾向がある分かった。 (5)視覚・聴覚共に情報障害者は、探索途中で適切な情報入手ができずに迷いが生じた場合に大きな問題が生じ、どのように迷いからブレイクスルーするかが重要な要件となる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 森一彦: "駅利用における迷いの分類とその状況分析"人間・環境学会誌. Vol,6 No.1. 29 (2000)
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[Publications] 森一彦: "情報障害者の迷いからのブレイクスルーに関する考察"日本建築学会近畿支部研究報告集. 265-268 (2000)
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[Publications] Mori,Kazuhiko: "Analysis of lost-behavior of sensory impaired people"Proceedings of 31st Annual Conference of the Environmental Design Research Association. 132 (2000)
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[Publications] "A guideline of environmental communications for sensory impaired people in a station"Proceedings of 16th Conference of the International Association for People-Environment Studies. (No274(in CD-ROM)). (2000)
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[Publications] 森一彦: "迷いからのブレイクスルー行動と「空間の分かりやすさ」"日本建築学会大会梗概集. 835-836 (2000)
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[Publications] 森一彦: "駅における情報(視覚・聴覚)障害者の探索行動に関する考察-迷いとブレイクスルー行動"日本建築学会地域施設計画研究シンポジウム. (発表予定). (2001)