1999 Fiscal Year Annual Research Report
日本の住いの空間的特質とその形成過程に関する研究-壁の空間と柱の空間-
Project/Area Number |
10650635
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
川本 重雄 京都女子大学, 家政学部, 教授 (40175295)
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Keywords | 柱の空間 / 壁の空間 / 寝殿造 / 書院造 / 民家 |
Research Abstract |
本年度は、平成10年度に行った近世初頭の農家を対象とした空間分析や調査を、町屋にまで広げるための調査研究を中心に、研究を進めた。実施した調査研究の内容は、以下の通りである。 1.民家の空間分析のために必要な図面を作成する目的で、学生の協力を得て3回の調査旅行を実施した。8月上旬の札幌市北海道開拓の村「青年家住宅」の実測調査、10月上旬に行った群馬県沼田市「旧生方家住宅」を始めとする関東地方の民家調査、10月下旬から11月上旬に行った広島県東広島市「旧木原家住宅」、山口県岩国市「旧目加田家住宅」、萩市「菊屋家住宅」など中国地方の民家調査である。調査した建物のうち「旧生方家住宅」など近世初めにさかのぼる町屋5棟のアイソメ図をこれまでに作成することができた。こうした図によって、民家における柱の空間と壁の空間の融合や二つの空間文化の違いを表現することができた。 2.寝殿造・書院造といった柱の空間の住まいの系譜については、東三条殿の儀礼および居住時の空間使用法を文献資料から検討したほか、近世の書院造を代表する二条城二の丸御殿の調査に着手した。東三条殿については正月大饗時の室礼をアイソメ図で表現し、儀礼の進行について詳しい分析を行った。一方、二条城の調査は、対面儀礼から日常的な居住までいろいろなレベルの空間的要求に対して書院造という柱の建築の様式がどのように対応したかを明確にしようという目的で実施したもので、次年度以降二条城の使われ方も含めて研究を深める予定である。 なお、本研究を反映させた論文として「住まいの歴史」(『生活文化史』山川出版社2000年出版予定)を執筆したほか、「壁の空間と柱の空間」のテーマの下で昨年中に2回の発表を行った。
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Research Products
(1 results)