日本の住いの空間的特質とその形成過程に関する研究-壁の空間と柱の空間-

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10650635
• Research Institution: Kyoto Women's University
• Principal Investigator: 川本 重雄 京都女子大学, 家政学部, 教授 (40175295)
• Keywords: 柱の空間 / 壁の空間 / 寝殿造 / 書院造 / 民家 / 日本住宅

Research Abstract

本研究助成の最終年度に当たるため、本年度は補足的な調査を実施すると同時に、これまでの研究をまとめて報告書を執筆作成した。具体的な研究の内容は次の通りである。
1.平成10年度に農家、11年度に町屋査を中心として調査を行ったので、本年度は青森県弘前市内の武家住宅の調査を学生5名の協力を得て8月下旬に行った。「旧伊藤家住宅」「旧梅田家住宅」の立面図・各室展開図を実測した。
2.平成11年度に実施した二条城二の丸御殿の調査の調査をまとめて、『客殿と障壁画』(国宝と歴史の旅9、朝日新聞社、2000年11月)の「二条城」・「儀礼空間と居住空間」を執筆した。また、同書を執筆するに際して二条城二の丸御殿大広間と白書院のアイソメ図を作成した。
3.本研究の研究成果報告書『日本の住まいの空間的特質とその形成過程に関する研究〜壁の空間と柱の空間〜』(2001年3月31日)を執筆・作成した。報告書の第1・2章では壁の空間・柱の空間という概念で日本住宅を見直すことに至った経緯、第3章で柱の空間の住まい寝殿造の好例である東三条殿の復原図および復原アイソメ図の作成に関する研究を論文としてまとめ、第4章で壁の空間・柱の空間という概念で日本住宅史を見直すとどのような住宅史の記述が可能になるかを「日本住宅小史」のテーマの下で論文を執筆し示した。また、本研究期間中に調査して作成したアイソメ図21図(寝殿造2、書院造3、農家11、町屋3、武士住宅1、茶室1)、研究期間前に作成したアイソメ図3図を報告書に掲載した。

Research Products

• [Publications] 川本重雄,古賀由紀子: "等角投影図による東三条殿の復原"生活造形・京都女子大学生活造形学科紀要. 46. 50-57 (2001)
• [Publications] 川本重雄,川本桂子: "客殿と障壁画"朝日新聞社. 64 (2000)