1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650652
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
成田 舒孝 九州工業大学, 工学部, 教授 (10026213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高原 良博 九州工業大学, 工学部, 助手 (50163308)
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Keywords | 破壊 / 破壊靱性 / 転位 / き裂 / 応力遮蔽 / 格子欠陥 / イオン結晶 |
Research Abstract |
研究課題の「クラック先端からの遮蔽転位の生成機構」を解明するため,平成10年度においては主にMgO結晶を用いた電子顕微鏡観察およびその結果に対する計算機解析を行った.これらの研究の実績は,下記のように要約される. 1. 転位は,クラックの前方に向かって放出されるのみならず,クラックの後方にもクラックの航跡を描くように放出される.クラック前方に導入される転位が右ネジらせん転位である場合には,クラック後方の転位として,左ネジらせん転位が導入され,クラック前方の転位の活動面と同じ角度の結晶面上に生じている. 2. 転位の放出過程は,その場観察された転位の半ループの生成を通して起るので,クラック面と試片表面との交線上が有効な転位生成サイトであることを示している. 3. 転位によって誘起されるクラック先端応力拡大を3次元Buekner-Rice荷重関数理論を用いて計算した結果,先に報告したように,最も大きな成分はモードIの遮蔽型であることを示したが,モードIIの成分も含まれることを示した.このクラック周りに生ずるIとIIの混合応力モードは,転位分布が(011)面上と(011)面上で等しくないことから生ずる. 4. クラック先端転位の詳細な観察に基づく局所応力拡大係数の導出によって,破壊した材料の破壊モードを推定しうることを明らかにした.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] N.Narita: "Dislocation Emission from a Crack tip in MgO Thin Crystals" Materials Science and Engneering. (発表予定). (1999)
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[Publications] N.Narita: "Crack-Dislocation Interactions in Ionic Crystals with NaCl Structure" Int.J.Materials & Technology. (発表予定). (1999)
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[Publications] N.Narita: "Dislocation Configurations near a Crack Tip in MgO Crystals" Materia Japan. 37,12. 991-991 (1998)