1998 Fiscal Year Annual Research Report
六方晶金属の1次・2次錐面すべりにおける特異な変形の機構解明
Project/Area Number |
10650654
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
頓田 英機 熊本大学, 工学部, 教授 (90040386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 新二 熊本大学, 工学部, 講師 (40222781)
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Keywords | 六方晶金属 / 非底面すべり / 転位 / 分子動学力学 / シミュレーション / 異状温度依存性 |
Research Abstract |
(1) CdおよびZnにおける2次錐面すべりによる降伏応力のせん断方位依存性 CdおよびZnの単結晶をブリッジマン法により作成し,c軸引張試験を行った.その結果,Cd,Znいずれの場合も降伏応力は,温度上昇にともない増加する異常温度依存性を示した.またこの応力をすべり面のせん断方向が異なるa軸引張における値と比較すると,Znでは降伏応力は約半分の値となり,cdでも低下し,いずれも強いせん断方位依存性を示すことが明らかになった.(2) Tiにおける1次錐面すべりの降伏応力の逆温度依存性 歪焼き鈍しおよび浮遊帯溶融法により作成したTi単結晶をc軸引張,およびc軸圧縮を行った結果,c軸圧縮では(112^^-2)双晶により降伏した.またc軸引張の場合,Ti単結晶の酸素濃度に依存し,低酸素濃度では(101^^-2)双晶が,高酸素濃度では(101^^-1)1次錐面すべりが活動することがわかった.1次錐面すベりの降伏応力の逆温度依存性は確認できなかったが,酸素濃度増加により降伏応力が低下する濃度依存性をもつことがわかった. (3) Ti結晶における計算機シミュレーションによる転位芯構造の温度依存性と方位依存性 分子動力学計算により(c+a)刃状転位の芯構造は,低温では完全転位であり,せん断歪をかけると2つの部分転位に分解した状態ですべり運動した.この構造は,温度増加とともに2次錐面から底面へ拡張した構造へ変化した.この場合,せん断歪をかけても運動せず,不動化した構造であることがわかった.また(c+a)らせん転位の芯構造は,温度上昇とともに1次錐面にまたがった構造から,2次錐面に広がった構造へ変化した.この構造にせん断歪を与えると,らせん転位の運動開始し歪は,せん断方向により大きく異なることが示された.
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