1998 Fiscal Year Annual Research Report
高分子を用いた均一沈殿による電子セラミックスの超構造の制御と誘電特性
Project/Area Number |
10650661
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
掛川 一幸 千葉大学, 工学部, 教授 (50009693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上川 直文 千葉大学, 工学部, 助手 (60282448)
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Keywords | 緩和型強誘電体 / ペロブスカイト型構造 / 超構造 / ポリエチレングリコール / 乾式法 |
Research Abstract |
緩和型強誘電体は、高い誘電率を示し、誘電率の温度変化においてブロードなピークを示す。この特性はペロブス力イト型構造のBサイトカチオン分布の規則化度により決まる。本研究では、高分子を用いた緩和型強誘電体の調製法を開発し、Bサイトカチオンの超構造の制御について検討した。 本研究では、錯形成により無機塩を溶解することのできるポリエチレングリコール(PEG)に注目し、Bサイトカチオン分布に規則化が生じやすいPb_<1-x>La_x[Mg_<(1+x)/3>Nb_<(2-x)/3>]O_3,(LaドープPMN)を調製した。PEG-カチオン複合体中のカチオン分布はPEG分子量に依存し、これを酸化することによって複合体中のカチオン分布を反映した酸化物を得ることができると考えた。まず、PEGにNbCl_5、Mg(NO_3)_2・6H_2O、La(NO_3)_3・6H_20を溶解し加熱してPEG-カチオン複合体を得た。この複合体の酸化によりLa、Mg、Nbを含む酸化物複合体を調製し、これにPbOを混合し焼成した。この方法によってLaドープPMNを1073Kの焼成で調製することができた。原料酸化物粉体の混合と焼成による乾式法で調製した場合と比べて300K以上低い温度でペロブスカイト構造を有する単一相が得られた。 LaドーブPMNの超構造について検討した結果、PEG分子量が大きくなると超構造の生成する領域が大きくなることがわかった。これは、PEG分子量が大きくなると、PEG-カチオン複合体の酸化により得られた酸化物中のMg_55Nb_4O_<15>の含有量が増加し、Mg_5Nb_4O_<15>のカチオン組成が超構造中のカチオン組成(Mg:Nb=1:1)に近いためであると推測された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 掛川一幸、矢野隆教、上川直文、佐々木義典: "チタン酸ジルコン酸鉛における不均一領域サイズの定量法" 日本セラミックス協会学術論文誌. 106・6. 604-608 (1998)
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[Publications] Y.Abe,I.Tanaka,K.Kakegawa,and Y.Sasaki: "Compositional Fluctuation Region in the Ternary Solid Solution of PbZrO_3-PbTiO_3-Pb(Co_<1/3>Nb_<2/3>)O_3 System" Jounal of the European Ceramic Society. 18. 1609-1612 (1998)
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[Publications] K.Kakegawa: "Homogenization Mechanism of Perovskite Soild Solutions" Ferroelectrics. (1999)
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[Publications] K.Kakegawa and Y.Sasaki: "Estimation of Compositional Fluctuation in PZT System" Electronics in Japan II. (1999)
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[Publications] N.Uekawa and K.Kaneko: "Nonstoichiometric Properties of Nanoporous Iron Oxide Films" Journal of Physical Chemistry B. 102・44. 8719-8724 (1998)
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[Publications] N.Uekawa and K.Kaneko: "Iron Oxide Film of a Spinel Structure from Thermal Decomposition of Metal Ion Citrate Complex" Journal of Materials Research. 14・5. (1999)