1998 Fiscal Year Annual Research Report
微粒子表面構造制御による粒子間相互作用の設計と多孔体材料構造の制御
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10650662
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
神谷 秀博 東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学研究科, 助教授 (20183783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀尾 正靭 東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学研究科, 教授 (40109301)
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Keywords | 表面改質 / シリカ / アルミナ / SiC / 凝集・分散 / DLVO理論 / 立体障害 / 高分子分散剤 |
Research Abstract |
高純度シリカ微粒子およびアルミナ、炭化ケイ素微粒子を対象に表面構造の制御を行った。高純度シリカ粒子については、市販の溶融固化法で製造した粒子を用いた。この粒子は、安価であるが超微粒子を含み粒度分布が広いこと、高温履歴を受けているため表面シラノール基密度が低いため付着凝集性が高い等の特徴がある。金属アルコキシドを用い液相中で分子数層分のシリカをゾルゲルコーティングすることにより表面構造と相互作用を変化させて、安価なシリカを高価な機能性シリカ並に改質することを試みた。その結果、ゾルゲルコーティングにより含有していた付着性や樹脂等に分散させた際に粘度増加の原因となっていた超微粒子凝集体が、核となった球形粒子に成長し、粒度分布の均一化が達成された。また、表面シラノール基もHydrogen-bondedの密度が増加し、シラノール基濃度の増加が認められた。さらに、粒子の付着性も60%程度まで低下したことが、原子間力顕微鏡の探針との付着力および粉体層法による引張り破断強度の低下の両面から確認された。 アルミナ、炭化ケイ素については、液中で高分子分散剤の吸着構造の変化により立体障害斥力と静電反発作用を制御し、凝集特性や粘度特性の変化を原子間力顕微鏡により評価できるか検討した。アニオン系高分子分散剤を添加した各微粒子スラリーでは、固体濃度、対イオン濃度、pHを変えて巨視的な粘度と表面間力を測定した。その結果、固体濃度と対イオン濃度を変化させたアルミナスラリーでは分散剤の主要作用機構が静電反発効果から立体障害効果に変化する臨界粒子濃度が存在することを確認した。pHを変化させた炭化ケイ素スラリーでは、粒子表面が負に帯電するpH条件でもアニオン系分散剤が疎水基が吸着基になっていると予測される粘度低下と立体障害斥力の向上が確認された。次年度以降の多孔体構造制御の基礎データが収集できた。
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Research Products
(1 results)