1999 Fiscal Year Annual Research Report
ペロブスカイト型強誘電体の90°ドメインスイッチングに関する結晶化学的研究
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10650663
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鶴見 敬章 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (70188647)
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Keywords | 強誘電体 / ペロブスカイト化合物 / ドメイン構造 / チタン酸鉛 / レーザ干渉計 |
Research Abstract |
チタン酸鉛に代表されるペロブスカイト型強誘電体には、180°ドメインと90°ドメインという2種類のドメイン構造が存在する。外部電場により90°ドメインはスイッチングすることができる。このスイッチングは歪みと分極の大きな変化をともなうため、強誘電体材料の応用においてその挙動を明らかにすることは極めて重要である。本研究は、チタン酸鉛およびチタン酸鉛-ジルコン酸鉛固溶体(PZT)を基体とするペロブスカイト型強誘電体について、90°ドメインスイッチングの挙動を支配する結晶化学的因子を明らかにすることを目的として実施された。すなわち、チタン酸鉛にアルカリ土類金属を添加することで結晶格子の正方歪みを制御した試料を作製し、それらについて物性測定と結晶構造解析を行い物性と結晶構造の関係を系統的に調べた。その結果、ドメインスイッチングの容易さを決める抗電界は正方歪みの大きさで支配されるが、ドメインスイッチングの結果として乗じる自発分極は、バリウム、カルシウム、ストロンチウム固溶体で、特にストロンチウム固溶体が非常に大きいことを明らかにした。この原因を解明するため結晶構造解析を行ったところ、ストロンチウム固溶体でチタンイオンの理想位置からの変位が最も大きいことが明らかとなり、自発分極の測定結果を説明するこができた。また、PZTにおける90°ドメインスイッチングの動的挙動を、マッハツエンダー型レーザ干渉計により、電界誘起歪みの周波数依存性を測定することで検討した。その結果、90°ドメインスイッチングには速度的限界があり、PZTの場合10kHz程度で圧電定数に緩和現象が生じることが明らかとなった。この手法により、ペロブスカイト型強誘電体の90°ドメインスイッチングの圧電効果への寄与を、結晶格子の圧電効果から分離し、定量的に解析することが可能となった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Tsurumi: "Domain Conrtibution in the Electric-Field-Induced Strain of PZT"J. Korean Ceram. Soc.. (in press).
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[Publications] T.Tsurumi,N.Ikeda,K.Okamoto and N.Ohashi: "Domain Contribution in the Electric-Field-Induced Strain of PZT Ceramics Measured by a Mach-Zehnder Type Interferometer"Ferroelectrics. 224. 597-604 (2000)
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[Publications] T.Tsurumi,Y.Kumano,N.Ikeda,N.Ohashi and O.Fukunaga: "XRD Measurements of 90°Domain Reorientation and Domain Contribution to the Electric-Field-Induced Strain in PZT Ceramics"Key Engineering Materials. 157-158. 73-80 (1999)
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[Publications] 窪田陽一、大橋直樹、鶴見敬章: "(Pb,R)Tio3 (R=Ca,Sr,Ba) のテトラゴナリティーと強誘電性"セラミックス基礎科学討論会 講演要旨集. 28-29 (1999)