1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650667
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
田中 寿郎 愛媛大学, 工学部, 助教授 (60171782)
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Keywords | 熱電能 / ランタンクロマイト / 電気抵抗 / スモールポーラロン / 高融点融化物 / 固相反応 |
Research Abstract |
1. 高温電気抵抗および熱電能測定装置 (1) 高温で調整雰囲気できる電気抵抗および、熱電能を測定する装置を開発制作した。本年度は1000℃までの電気炉を用いて新規作製した測定装置の動作確認と、新規に作製した測定解析用コンピュータプログラムの動作確認を完了した。 (2) 高温電気はケラマックス炉を用いる。炉の準備を現在進めており、平成11年度には使用できる見込みである。 2. 物質の合成条件の確立 (1) 合成条件の確立: 熱電能の測定には単相の物質を使用する必用がある。そこで、LaCro_3をベースとし、Laの一部をCaやSrで置換した物質の合成条件を本研究予算で購入したボールミルを用い、再現性良く決定することができた。 (2) 構造の決定: 現有設備のx線回折装置を用いて構造を決定した。必要な場合にはリートベルト法を用いて精密化を行った。その結果、Laの置換量、Caは0.4%、Srは0.3%まで単相のものを合成できることがわかった。また結晶構造は歪んだペロブスカイト構造を持つことを明らかにした。電磁特性上重要な酸素量については、合成時の質量変化および、密度測定により、ほぼ酸素欠損が見られない事がわかったが、酸素量の精密測定は平成11年度に行う予定である。 3. 電磁特性 (1) 電気抵抗の測定から、Ca置換の場合はスモールポーラロンのホッピング伝導と考えられるが、Sr置換の場合には金属伝導との複合伝導の可能性があることを新たに見いだした。 (2) 熱電能は、Ca置換の場合は符号が正で150μV/K、Sr置換の場合は符号が正で約70μV/Kと大きく,さらにともに温度依存性が小さく高温まで大きな値を示す事を新たに見いだした。これは新しい高温熱電材料の可能性を示している。
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Research Products
(1 results)