1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650671
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
松井 利之 大阪府立大学, 工学部, 助手 (20219372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森井 賢二 大阪府立大学, 工学部, 教授 (10101198)
津田 大 大阪府立大学, 工学部, 助手 (80217322)
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Keywords | TiB_2薄膜 / 電気伝導特性 / 薄膜電極材料 / RFスパッタリング / ホットプレス |
Research Abstract |
本研究の目的は,TiB_2等の遷移金属ボライドやLaCoO_3のようなペロブスカイト型酸化物の高温電気電導率結晶を高温動作の熱電発電用電極材料として応用するための材料学的検討を行うことにある.本年度は,主として材料の合成方法に関して検討を行った.以下,本年度に得られた成果を箇条書きに記す. 1. ホットプレス法によるTiB_2バルク材の合成:原料粉末としてTiB_2粉末を使用し,グラファイダイスに充填後,1800℃,圧力2.5MPaで2hrホットプレスすることにより,直径100mm厚さ3mmの円板状試料を作製した.焼結体はほぼ単相のTiB_2化合物からなっていた.一部の試料は製膜後の組成調整のためTi粉末を過剰に加えた. 2. RFスパッタ法によるTiB_2薄膜の合成:基板温度450℃,RF電力100〜200Wで製膜をおこなった.RF電力が200WではTiが約30%過剰のターゲットを使用したとき,ほぼ化学量論組成のTiB_2薄膜が合成された.TiB_2相の結晶粒径は5nm以下と非常に微細であり,組成により多少の非晶質B相が混在した組織となっていた. 3. TiB_2薄膜の電気伝導特性の評価:キャリアの種類,密度の測定から,作製したTiB_2薄膜は金属的な電気伝導挙動を示し,室温での電気抵抗率は約160μΩcmであることがわかった.抵抗率の温度依存性に関しては,温度の上昇にともない電気抵抗がわずかに上昇するというバルク材とは異なる挙動を示した.その結果高温域ではバルク材に近い電気伝導度を持つことがわかった.次年度は,熱電材料との接合界面での構造と物性を検討する. 4. ペロブスカイト型酸化物薄膜のイオンビームスパッタ法による合成:イオンビームスパッタ法による薄膜の合成の可能性を検討するため,予備実験としてBaTiO_3やMn系化合物薄膜の合成を試みた.次年度はLa系酸化物に関して,RFとイオンビームの両スパッタ法により合成を試みる.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Matsui: "Formation of unknown magnetic phase by solid state reaction of thin multilayered films of 75 at%Mn-25 at%Ge" J.Mag. Mag. Mat. (発表予定).
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[Publications] T.Miyoshi: "Magnetic and electric properties of Mn_5Ge_3/Ge nanostructured films" J.Applied Physics. (発表予定).