1998 Fiscal Year Annual Research Report
フィジカルエージングを応用した耐熱性・長時間耐久性を有するFRTPの創製
Project/Area Number |
10650679
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
宗宮 詮 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40051700)
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Keywords | フィジカルエージング / FRTP / 耐熱性 / 耐久性 / クリープ現象 / マスター曲線 / ポリエーテルスルホン |
Research Abstract |
熱可塑性樹脂に顕著に発生するフィジカルエージング現象及び繊維の充填によるクリープ抑止効果との相乗効果により粘弾性挙動を抑制することを目的とする。本年度は,ポリエーテルスルホン(PES)およびそのガラス繊維強化プラスチックを使用し、試験温度別曲げクリープコンプライアンス線図群を求めた。使用したP団は高吸湿性の素材であり、湿度の影響を考慮しつつ樹脂単体の試験片を使用して温度別クリープコンプライアンス線図群を測定した。この結果を使用して、一本の曲げコンプライアンスマスター曲線が作成した。その際、使用したシフト量はアレニュウスプロットの結果、一本の直線となり、温度・時間の関係に規則性のあることを明らかにした。 次に、ガラス繊維重量混入率が20%と30%のPESを母材とするFRTPについても、同様のクリープ試験を行った。その結果、各混入率毎にクリープマスター曲線が作成可能であり、繊維の量の増加と共にクリープの発現が阻止されることを明らかにした。繊維量のクリープ変形への影響を量的に明らかにするため、各繊維混入率のマスター曲線間の関係を調べた。結果、繊維量に関する物理並びに時間軸移動量の2つの因子を決めることで、3本のマスター曲線が1本のグランドマスター曲線としてまとめることが可能であることを明らかにした。この結果は、任意の繊維混入率材料のクリープマスター曲線の算出の可能性を明らかにしたものである。さらに、フィジカルエージングの影響についての基礎的研究も開始した。
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Research Products
(2 results)