1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650680
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
塩田 一路 工学院大学, 工学部, 教授 (90255612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海部 宏昌 東京都立大学, 工学部・電気工学科, 助手 (40224331)
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Keywords | PbTe / Bi_2Te_3 / 熱電材料 / 気相法 / 物質移動 / FGM |
Research Abstract |
昨年度来,熱電材料として実用レベルにあるn型PbTeの単結晶を気相法より物質移動および結晶育成することに成功した。その過程で,ドーパントとしてあらかじめ添加した沃化鉛が重要な役割を担うことを指摘した。また,育成した結晶はキャリア濃度に融液からの一方向性凝固では達成できないほどの高い均一性をもつことがわかった。従来,この化合物は立方晶系の高い対称性の結晶構造を有し,電気的,熱的,熱電気的性質に異方性はないとされてきた。しかしながら,熱電材料のような10^<26>m^<-3>程度の高いキャリア濃度の場合,電子構造の微妙な変化が異方性をもたらす可能性がある。今年度はこの育成結晶からX線回析写真撮影を元に長手方向が<100>,<110>,<111>の主結晶軸方向に対応する短冊状試料を切り出し,電気抵抗率とホール効果の計測から異方性の検証を行った。各主軸結晶のホール係数はきわめて等方的で,異方性の確認にはいたらなかった。 今年度はさらに,気相法を室温で高い熱電性能を示すBi_2Te_3系化合物にまで適用し,物質移動と結晶育成を試みた。育成条件を最適化する過程で,物質輸送の可能性を確認できた。また,得られた結晶の電気抵抗,ホール係数といった電気的性質を室温から液体窒素温度の領域で計測した。その結果,室温ですでに固有伝導領域に入るほどの低いキャリア濃度をもつ高純度,高品位単結晶が得られた。また,伝導型や電気的性質は育成条件に極めて密接な関係があることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] S. Yoneda, E. Ohta, H. T. Kaibe, I. J. Ohsugi, K. Miyamoto, I. A. Nishida: "Crystal growth of PbTe foped with Pbl_2 by the physical, transport method"J. Cryst. Growth. 204. 229-232 (1999)