2000 Fiscal Year Annual Research Report
オブジェクト指向による高機能な状態図データベースの開発
Project/Area Number |
10650686
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Research Institution | Hachinohe Institute of Technology |
Principal Investigator |
小野 陽 八戸工業大学, 工学部, 教授 (40111249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 寛 八戸工業大学, 工学部, 助教授 (90179242)
大谷 博司 東北大学, 学際科学研究センター, 助教授 (70176923)
石田 清仁 東北大学, 未来科学共同研究センター, 教授 (20151368)
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Keywords | 状態図 / データベース / オブジェクト指向 / 結晶構造 |
Research Abstract |
オブジェクト指向データベースシステムの特徴と機能を活用することで、状態図とそれに付随する諸データを取り扱う、高機能なデータベースサービスが実現できると考え、独自のオブジェクト指向データベースシステムプログラムの開発、状態図データベースのためのクラス設計、約百枚の状態図データの入力、これらを用いた状態図データベースサービスの公開実験を行った. 独自に開発しているオブジェクト指向データベースシステムプログラム、MOOD-SXは研究期間中に150項目を越える改善、改良を行い、機能の拡張と性能の向上を図った.特に状態図データベースに用いるために、画像ファイルの転送と表示、ウエッブブラウザからの利用のためのJavaアプレットによるユーザインターフェースの開発を行った.このプログラムはSAL(Scientific Applications for Linux)など5つ以上のソフトウエア・アーカイブに収録されている。 クラスの設計には、知識工学の分野で注目されたオントロジー工学との関連を重視し、平衡状態図の記述の中に表れる概念の性格を明らかにすることに努めた.例えば、擬二元系状態図は両端の二つの組成で定義されるが、組成を、その組成を持つ物質で代表させても良いこと、相は結晶構造で特徴付けられること、結晶構造が構造タイプと組成で特徴付けられること、相は物質とは異なることなどを論じた. そのような議論をもとに設計されたクラスセットを用いて、ASMの鉄基二元系状態図集に相当する約百枚の状態図、それらの状態図に表れる300余りの相、約80の構造タイプを網羅した状態図データベースを構築し、実験的状態図データベースサービスに供した.このデータの入力に当たって、テキストファイルで十分校正された元情報の矛盾が見つかるなど、オブジェクト指向によるデータの取りまとめの有効性が認められた.
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[Publications] 小野陽: "Java AppletによるウエッブブラウザからのMOOD状態図データベースの利用"日本鉄鋼協会シンポジウム論文集「計算機支援による組織制御の最前線」. 1-4 (1998)
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[Publications] Noboru Ono: "Ontology on Materials Science and Engineering"Proceedings of 8^<th> German-Japan Workshop on Chemical Information. 75-77 (1999)
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[Publications] N.Ono,R.Kainuma,H.Ohtani,K.Ishida and K.Kato: "Ontology for Phase Diagrams"Proceedings of International Conference on Intelligent Processing and Manufacturing of Materials. (Indexed CDROM). (1999)
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[Publications] 小野陽: "MOODによる状態図データベース-I状態図のオントロジー"「鉄鋼材料の計算機支援による組織制御」、日本鉄鋼協会. 219-230 (2000)
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[Publications] 小野陽,長谷部光弘,岡本紘昭: "MOODによる状態図データベース-II鉄基合金状態図の実験的配信"「鉄鋼材料の計算機支援による組織制御」、日本鉄鋼協会. 231-238 (2000)