1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650687
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
尾中 晋 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (40194576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 雅治 東京工業大学, 大学院・総合理学工学研究科, 教授 (50161120)
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Keywords | 分散強化合金 / 高温変形 / 粒界ボイド / 液体粒子 / 粒界破壊 / クリープ |
Research Abstract |
ホウ素,Bを含む銅基固溶体合金.の多結晶を内部酸化処理し、結晶粒内と粒界上にB_2O_3分散粒子を含む試験片を作成した.これらの試験片を用いた引張試験を室温と800K程度の高温域で行い,応力-ひずみ関係と破壊様式を考察するための微細組織観察を行った.これらの実験によって以下の知見を得ることができた. (1) 液体粒子を含む多結晶の場合,液体粒子を含む単結晶と比較して極めて脆性的な破壊が起こる. (2) 高温域での破壊は粒界上の液体B_2O_3粒子を起点とするものである. (3) 粒界破壊は,粒界上液相粒子内部でのボイドの生成と成長,それらのボイドの成長,合体による粒界クラックの形成という過程で起こる. (4) 粒界ボイドの合体は粒界でのすベりによって加速される. 本研究の実験は実用の構造材料における高温脆性破壊の加速試験に相当するモデル実験であり,得られた上記の知見により高強度高温材料開発の指針を得るための基礎的な情報が得られたことになる. 本年度は分散粒子を含む材料についての弾性論を応用した理論的な考察も行った.これらの理論的な研究の内容は以下のようにまとめることができる. (a) 応力下で析出,成長する整合析出物の安定形状を線形弾性論,介在物問題の応用として考察した.整合析出物の安定形状が析出物を含む材料に加えられた外力,析出物と母相の弾性係数,析出物の持つミスフィットひずみそして析出物の体積分率で変化することを示し,これらの因子の変化による安定形状の変化を安定形状領域図によって示した. (b) 複相材料の弾性的塑性的な変形の挙動が,構成相の力学的性質,形状,体積分率によってどの様に変化するかを議論した.複相材料内部の応力分配状況,複相材料の巨視的弾性係数と平均的加工硬化挙動を理論的に推定した.
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Research Products
(1 results)