1998 Fiscal Year Annual Research Report
高ひずみ加工法によるAl-5Mg合金の超微結晶化と疲労挙動のその場SEM観察
Project/Area Number |
10650690
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
北川 和夫 金沢大学, 工学部, 教授 (30019757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼子 佳久 金沢大学, 工学部, 助手 (40283098)
VINOGRADOV A 金沢大学, 工学部, 助教授 (10283102)
門前 亮一 金沢大学, 工学部, 教授 (20166466)
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Keywords | 微結晶 / ECAP / 5056Al合金 / 疲労特性 / き裂伝ぱ特性 / 超微結晶 |
Research Abstract |
多結晶金属は結晶粒の微細化により機械的性質を著しく改善できることは周知の事実である。結晶粒を微細化する方法の一つにECAP(Equal-Channel Angular Pressing)法がある。本法は多結晶素材に強いせん断変形を繰り返し与えるもので、高強度・高靭性材料を得ることができる。しかし、この材料の疲労特性については十分明らかとは言えない。本研究は、ECAP法により加工した微結晶5056Al合金の疲労特性を調査するために、引張試験、疲労試験及び疲労き裂伝播試験を実施し、溶体化処理した同一合金の特性と比較検討したものである。平成10年度における研究成果は以下の通りである。 1. ECAP法により、結晶粒径が1ミクロン以下の素材を得ることができた。 2. ECAP材において、耐力の著しい向上と引張り強度の上昇が見られた。 3. ECAP材と溶体化処理材とでは疲労限に大差は見られなかった。しかし、高応力振幅側において前者は後者の2倍以上の疲労寿命を有していた。 4. ECAP材において、繰り返し変形後に硬さの低下と結晶粒径の増加が見られた。これは、繰り返し変形によって再結晶または回復が生じていることを示唆している。 5. き裂伝播特性では、いずれの材料もパリス則が成立し、き裂成長の下限値はECAP材の方が低かった。 以上の結果をもとに、平成11年度は結晶粒をさらに微細化した超微結晶材料について同様の試験を実施する予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] A.Vinogradov: "On the Cyclic Response of Ultrafine-Grained Copper" Materials Science Forum. 269-272. 987-992 (1998)
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[Publications] A.Vinogradov: "Acoustic Emission and Strain Localization in Ultra-Fine Grained Materials Produced by Equi-Channel Angular Pressing" Proceeding of IS MANAM'98(Australia). (印刷中).
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[Publications] Kitagawa K.: "On the Cyclic Behaviour of Ultra-Fine Grained Copper Produced by Equi-Channel Angular Pressing" Proceeding of IS MANAM'98(Australia). (印刷中).