1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650691
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
河本 修 岡山大学, 理学部, 助教授 (00234716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 達生 岡山大学, 工学部, 講師 (10222259)
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Keywords | 結合磁界 / スパッタ / 保磁力 / 磁化率 / 電気抵抗率 / 熱処理 / 強磁性共鳴 / ニッケル |
Research Abstract |
今年度は,下記の3つの項目に関して研究と整備を行った. (1) スパッタNi-O膜 NiをターゲットとしてRFスパッタ法によって,Ar+O_2雰囲気中で成膜した.その時,総圧力は一定とし,O_2(Ar+O_2)比を変化させた.9%を境に低酸素分圧ではNi,高酸素分圧ではNiO膜の単相がそれぞれ得られた.両相が同時に得られるというCo-O系とは異なった振る舞いを示す.NiO膜は磁化率がバルクの値にほぼ等しいが,電気抵抗率はバルクの値と大きく異なる.そこで,Ni膜とNiO膜の熱処理を,それぞれ,ArとAr+O_2雰囲気で行って特性の変化を調べた.Ni膜では,熱処理温度の増加に伴い保磁力は増加する.保磁力の増加は結晶子の大きさの増加に対応し,磁壁の大きさと結晶子の大小関係から磁壁移動が抑制されるためと考えられる.また,強磁性共鳴の測定から,Ni膜の膜垂直方向の異方性磁界が熱処理によって大きく変化することが分かった.また,NiO膜では,格子定数と抵抗率が増加しバルクの値に近づくが,ネール温度の前後での変化が大きいことが見られた. (2) Ni/NiOの2層膜 2層膜を作成し,保磁力と結合磁界を求めた.Ni膜厚の増加に伴い,磁性層間の相互作用を示す結合磁界は減少した. (3) 磁気抵抗効果測定の測定の測定治具作成と測定装置駆動のプログラム作成 試料固定治具の作成によって,ホール効果測定装置を用いることで,4端子法によるNi膜とNiO膜の電気抵抗率の測定が精度良くできるようになり,また,プログラムも90%程度できた.
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