1999 Fiscal Year Annual Research Report
その場観察による摩擦圧接異材継手境界における層成長過程の解明 -異材継手の信頼性向上のためのモデリングの構築-
Project/Area Number |
10650700
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
冨士 明良 北見工業大学, 工学部, 教授 (00199275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飴山 恵 立命館大学, 理工学部, 教授 (10184243)
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Keywords | 摩擦圧接 / 異材継手 / 金属間化合物相 / 中間層 / チタニウム(チタン、Ti) / アルミニウム(アルミ、Al) / 直接観察 |
Research Abstract |
1.緒言:純チタン(Ti)と純アルミ(Al)の摩擦圧接において,(1)接合現象の観察,並びに(2)接合後の高温保持による中間層の生成状態を高温顕微鏡を用いて「その場観察」を行った. 2.摩擦圧接過程の現象:継手の直径によっては,接合は1/2R部から軸心部,さらに外周部に向かって進む場合がある.これは,鉄鋼系の同種材料の接合現象とは異なることを明らかにした. 3.接合後の高温保持による中間層の生成:外周部では,熱処理時間が約50Hまで中間層は成長し,厚さが約90mになると成長がほぼ停止した.一方、軸心部では厚さは変わらないものの,中間層は約200Hまで成長を続けた.これは,圧接時に生成するサブミクロン・サイズの中間層が外周部では大きく生成し,これを核として成長するために早くなったものと考えられた. SEM-EDS分析の結果,中間層ほとんどAl_3Ti相からなり,圧接面からTi側に成長することを明らかにした.層の成長が進むと,中間層とAl母材の界面付近で割れが生じることを明らかにした. 4.層成長の活性化エネルギーによる検討:高温顕微鏡を用いて層厚さを測定し,その値から活性化エネルギーを求めた.摩擦時間が同一の場合,軸心部,1/2R部、外周部でそれぞれ93.2,86.1,77.0kJ/molであり、回転中心から離れるにつれて活性化エネルギーは小さくなった.外周部では軸心部にくらべ接合時の発熱が大きいため生成する中間層が広く,これを核として成長したことが原因であることをTEM観察から明らかにした.摩擦時間が長くなると,回転中心から離れるにつれて活性化エネルギーは小さくなるが,位置の影響は摩擦時間が短い場合にくらべ小さくなった.これは,接合時に圧接面で十分な加熱が行われたため,位置の影響が小さくなったと考えられた.
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