1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650708
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
多田 吉宏 徳島大学, 工学部, 助教授 (10136210)
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Keywords | 発泡金属 / メタリックフォーム / セル状構造 / 粉末冶金 / 多孔率 / 発泡剤 / 成形 / ビーズ |
Research Abstract |
セル構造の制御によって靭性・耐熱性・断熱性・耐候性・制振性などの諸特性の組合わせを広範に変化させることが可能な金属フォームは,軽量で剛性の高い発泡構造材料・機能材料としての利用が期待される素材である.本研究は,従来からの製造法すなわち増粘処理した溶湯中に発泡剤を撹拌混入し,その解離によって発生するガスを利用して発泡させる液相法の課題であるセル構造の不均一さと製造工程の制御の困難さを克服するため,粉末冶金法に基づく新しいプロセスによる工業的な金属フォーム部品の製造プロセスの確立を目指すものである.このため,金属フォーム製品に適したより自由度の大きい成形法の開発を目的として,発泡と成形を金型内で同時に行う発泡同時成形法をあらたに提案した.この方法は,ビーズや線材などの金型内に供給しやすい汎用的で単純な形態の発泡性素材を使用し,ダイキャビティー内で加熱・発泡させて型内への充満と同時に個々の素材を互いに融着させて製品を得ようとするものである.アルミニウムフォームの発泡挙動を模したモデル材(マトリクスにPb-30Sn合金,発泡剤にOBSHを適用)を用いてフォームのダイキャビティーへの充満特性や素材間の融着性等の基礎的特性を検討した結果,発泡性素材として適用したビーズと線材のいずれの場合にも内部に巣などの巨視的欠陥を含まないフォーム製品を得ることが出来た.特に柱状フォーム製品を成形する場合には単一素材の場合に比較して複数の線材を素材として用いる方が高い充満特性を示し,またこの特長は複雑な金型断面形状ほど発揮されやすいことなど,発泡同時成形法の有効性が確認された.
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