1998 Fiscal Year Annual Research Report
亜熱帯海洋性気候下における工業材料の環境評価及び劣化評価に関する研究
Project/Area Number |
10650712
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
屋良 秀夫 琉球大学, 工学部, 教授 (60045028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國吉 和男 沖縄県工業技術センター, 研究開発部, 部長
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Keywords | 環境評価 / 大気腐食 / 海塩粒子量 / 亜熱帯海洋性気候 |
Research Abstract |
平成10年度科学研究費の補助によって、亜熱帯海洋性気候下における工業材料の環境評価及び劣化評価に関する研究を行った。工業材料の大気腐食に関する要因として、温度、湿度、降雨量、海塩粒子量、亜硫酸ガス及びぬれ時間(ぬれ回数)があり、その中でも沖縄県は亜熱帯海洋性気候で常に風が吹いている関係で、亜硫酸ガスのみが少なく、他の要因はすべて高いために国内でも腐食の著しい環境になっている。そこで琉球大学工学部キャンパス内にある暴露試験場において、温度、湿度、降雨量、海塩粒子量をこれまでに測定していたが、科学研究費の補助により結露時間計を購入しぬれ時間の測定を開始した。腐食要因の中の海塩粒子量については、沖縄県内の東海岸(嘉手納)、酉海岸(中城)、宮古島、銚子(千葉県)でも測定し比較検討している。 これまで得られた結果より、海塩粒子量は琉球大学工学部キャンパス内では0.3〜0.4 mdd(mg/dm^2/day)、海岸付近では0.6〜0.8 mdd(mg/dm^2/day)となり、内部よりも海岸側が2倍ほど多くなっている。このことは海岸側は腐食が激しいことになる。なお、千葉県の銚子では沖縄の内部とほぼ同様な値となっている。 本研究を遂行するに当たっては科学研究補助金により、結露時間計、光沢計、電子天秤を購入した。それにより、大気腐食に関する要因の一部を測定することができ、工業材料の耐食性の研究に少しでも役立てて、省資源に貢献できるものと考えられる。 最後に、本研究の成果について、その一部を平成10年10月7日より新潟で行われた溶接学会秋季全国大会にて発表した。
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