1999 Fiscal Year Annual Research Report
ガス発生剤による超塑性アルミニウム合金板材のRB/SPF
Project/Area Number |
10650717
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
大澤 泰明 法政大学, 工学部, 教授 (40176863)
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Keywords | ガス発生剤 / 超塑性 / アルミニウム合金 / RB / SPF / トラス構造 |
Research Abstract |
高温に曝されると自動的に熱分解し,不活性なガスを発生する薬剤(ガス発生剤)を用いて,昇温過程中の気体の膨張仕事に基づく超塑性アルミニウム合金板材の成形加工を試行した.従来の高温成形用機器を簡素化し,廉価にし,予想される労働環境の改善も付随するターゲットとなる.チタン合金製の航空機中空構造体を製作する際に行われているSPF/DBのうち,RB(圧着圧延)をDB(拡散接合)の代わりに導入し,超塑性アルミニウム合金のガス発生剤による拡散接合の可能性,及びトラス構造体のような中空構造部材の製作についても検討した.これまでに得られた研究成果をもとにして,トラス構造,ハニカム構造の製作を重点的に検討した結果,以下の成形上問題となるいくつかの検討課題が明らかになった. 1.圧着圧延時にコアとなる板材の表裏に印刷するSTOP OFF+ガス発生材の選択および最適な混合比. 2.加熱成形後の冷却過程において,成形部内の圧力が負圧となることがある.この時成形部板厚が薄くなりすぎていると凹みが生ずる.この現象の防止策. 3.界面の接合強度が低いと成形時にはく離を生じやすいので,界面強度を高く維持しなければならない. 4.印刷パターンのゆがみを生じさせないように圧延精度を向上させなければならない. これらの課題に対して,先ず温間圧延機を新たに導入し,種々の材種間での接合界面強度を計測の上最強の組み合わせ(スキン材:A1050,コア材:SPZ)を選択,加えて圧着圧延前の表面処理を工夫など,考えられる改善を工程中の作業に施した.その結果,トラス構造体については製品として実際の使用に耐えられるような優れた成形体を得ることができた.
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