1998 Fiscal Year Annual Research Report
金属アレルギーの抑制を目的としたパラジウム厚めっき法の開発
Project/Area Number |
10650721
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
羽木 秀樹 福井工業大学, 工学部, 助教授 (40117213)
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Keywords | 電気めっき / 眼鏡枠 / 電流効率 / ニッケルアレルギー / 水素 / 拡散係数 / パラジウム / 電気化学的放出法 |
Research Abstract |
パラジウムの厚めつき法を開発するために,まずめっき電流効率の大きなめっき条件として,次を見出した.めっき浴組成:PdCl_2 179をアンモニア水0.102Lに溶解し,その溶液とNH_4H_2PO_4 100kg/m^3,NH_4Cl 25kg/m^3を含む水溶液1L,浴温:室温,めっき電流密度:50A/m^2.この条件で作製したパラジウムめっき試料において,水素の昇温脱離スペクトルを測定し,めっき膜には多量の水素が固溶していることがわかった.この実験結果から,パラジウムの厚めつき処理が困難な原因は,めっき処理の際にめっき膜中に水素が侵入し,水素脆性によってめっき膜の機械的性質が劣化することにあると推測される.そこで,めっき膜中の水素濃度を低減するめっき方法を見出すための基礎的研究として,パラジウムめっき膜中の水素の拡散係数と濃度の測定法の開発を試みた.これまでの研究によって,電気化学的放出法によってこれらの測定が可能であることがわかった.また,パラジウムめっき膜中の水素の拡散係数はパラジウム・バルク中のそれよりも小さいことと,めっき試料を高温で熱処理することによって水素の拡散係数は大きくなって,パラジウム・バルクでのそれと同じになることが明らかになっている.
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