2000 Fiscal Year Annual Research Report
レアメタル溶融塩電解への新しい試み〜水素ガス電極酸化反応の利用〜
Project/Area Number |
10650730
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Research Institution | TOYOHASHI UNIVERSITY OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
竹中 俊英 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (60197324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 正博 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (30016597)
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Keywords | Ti / H_2 / 溶融塩電解 / 電解採取 / 溶融フッ化物 / 溶融塩化物 / ガス電極 |
Research Abstract |
フッ化物のみからなる溶融塩中でH_2ガス電解酸化反応を利用したTiの電解採取法についてさらに検討した.前年度までに,この方法により金属Tiの電析なこと,低い電解槽電圧で安定した電解が行えることを明らかにした.しかし,電析した金属Tiは細かい粉状であり,フッ化リチウムを多く含む電解浴を用いた場合には,電析物表面に付着・固化した塩の除去が困難であった.本年度は主に洗浄性の向上を目指した研究を行い,電解浴組成を調整することによりかなり改善が見られることを明らかにした. 本研究室での過去の研究成果から,溶融塩化物中にフッ化物を一定量以上添加すると,Tiの電極反応は溶融フッ化物中と同様になることがわかっている.そこで,上記の研究を更に改善する方法として,フッ化物と塩化物の混合溶融塩を用いたTiの電解採取に着目して研究を行った.研究の結果,この電解浴中において単純な方法でTiの電解採取が可能であり,H_2ガス電解酸化反応を利用した場合よりも電解槽電圧は大きくなるものの,安定した電解が行えた.この方法は,H_2ガス電解酸化反応を利用した場合に必要なガス電極が不要な上,電析物の洗浄も比較的容易であり,有望な方法であることがわかった. CaF_2を主体とし,TiO_2を含む混合塩に,比較的高い電圧で高電解電流を流すことにより,直接液体状態の金属Tiを得る方法についても引き続き検討した.研究の結果,電解浴底の陰極(電析物)と陽極(炭素棒)を十分にはなすこと,陰極上に十分な大きさのメタルプールを形成することが必要不可欠であることが明らかになった.しかし,本研究室で保有する装置ではこれら条件を完全には満たすことができず,良好な電解は行えなかった.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Takenaka,M.Ishikawa and M.Kawakami: "Direct Electrowinning of Liquid Titanium Metal by Using Direct Current Electro Slag Remelting Apparatus"Proc.of the 12th International Symposium on Molten Salts. 578-584 (1999)
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[Publications] 竹中俊英,川上正博: "チタン溶融塩電解採取法への新しい試み"溶融塩および高温化学. 43巻2号. 149-159 (2000)
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[Publications] T.Takenaka,N.Murakami,T.Matsui and M.Kawakami: "Electrowinning of Titanium in Fluoride Melt by Using Hydrogen Gas Oxidation as Anodic Reaction"Proc.of the 2nd international conference on Processing Materials for Properties. 803-806 (2000)