1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650731
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
後藤 誠史 山口大学, 工学部, 教授 (00016817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井奥 洪二 山口大学, 工学部, 助教授 (60212726)
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Keywords | 製鋼スラグ / 高強度材料 / 炭酸ガス固定 / 硬化体のpH / ガラス繊維の耐久性 |
Research Abstract |
有効利用率の低い製鋼スラグと地球温暖化に影響を与えている炭酸ガスを反応させ、高強度材料を得るための基礎研究を行った。ポルトランドセメントの主要鉱物であるカルシウムシリケート化合物(Ca_3SiO_5、Ca_2SiO_4)は、炭酸化反応により硬化することがしられており、本研究では、それらを含む塩基度の異なる3種の製鋼スラグ、および、ビーライトセメントクリカー粉末を用い、主に1)製鋼スラグ粉末の成形圧の炭酸化反応への影響、ならびに、2)セメント系材料(ビーライトセメントクリカー粉末)の炭酸化硬化体のpHとガラス腐食について、研究した。 粉末の成形圧は、試料の空隙率を制御し、成形体の炭酸化状態、すなわち、表面と内部の炭酸化分布に影響を与えた。炭酸化による硬度の分布は、ヴイッカース硬度計により測定した。空隙率が小さい場合は、表面から内部へと硬どの分布が生じるが、強度の高い材料が得られた。空隙率の低い試料では、硬度の分布幅が小さく、強度の低い材料が得られた。 炭酸化硬化体は、pHが9〜10であり、複合化させたガラス繊維は、180℃の飽和水蒸気圧下での試験で、水和硬化体(pH12〜13)より腐食速度が1/5程度と低かった。 この結果、ガラス繊維複合材料の作製において、炭酸化により硬化させれば、使用できるガラス繊維の組成範囲を広くすることができることが分かった。
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