1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650734
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
岸武 勝彦 九州工業大学, 工学部, 教授 (40029880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大坪 文隆 九州工業大学, 工学部, 助手 (10243982)
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Keywords | セラミック溶射 / アルミナ / 封孔 / スピネル / 酸化物 |
Research Abstract |
焼結アルミナ板を用いて,張り合わせ法により直線状の空隙を作製し,Cr,Ni-20mass%Cr,Ti,NiおよびCo板と直線状の空隙を接合して,大気中の1273Kで保持した.Cr,Ni-20mass%Cr,Ti板を接合した場合,直線状の空隙には充填は認められなかった.一方,NiおよびCo板を接合した場合,空隙に酸化物による充填が認められ,この酸化物とアルミナ板との界面にスピネル相が生成していた.また,侵入物先端のアルミナ板表面にNiおよびCoが分布していることが分かり,NiおよびCoがアルミナ板表面上を拡散して,さらにアルミナと反応してスピネル相を形成しながら直線状の空隙に酸化物が侵入していると推察された.また,アルミナ空隙を充填する作用を有する金属はアルミナとスピネル相を形成し得る金属であり,酸化物による空隙の充填にはスピネル相の形成が優先的に行われることが確認された.さらに,NiよりCoを接合した場合の方がスピネル相は厚く,侵入物はより深く生成していた. 大気中の1273Kで40hの熱処理を行ったNiあるいはCoを混合したアルミナ溶射皮膜は皮膜中にスピネル相の形成により空孔の封孔が認められた.1123Kで100hの熱処理後では,Niを添加した皮膜には空孔の封孔は認められなかったが,Coを添加した皮膜には空孔の封孔が確認され,直線状の空隙における調査結果と一致した.したがって,調査した金属種ではCoの添加が皮膜の自己封孔作用に最も有効であると結論づけられた. 来年度は,封孔酸化物の先端の形状および厚さ変化に着目して,封孔酸化物の形成過程を考察する.
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