1998 Fiscal Year Annual Research Report
水性会合性ポリマーの会合挙動解明と新規な油/水分散系の創出
Project/Area Number |
10650751
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
上村 芳三 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (60160222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
愛甲 涼子 鹿児島大学, 工学部, 教務職員 (50244265)
吉澤 秀和 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (20244262)
幡手 泰雄 鹿児島大学, 工学部, 教授 (00038051)
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Keywords | 会合 / ポリマー / ポリビニルアルコール / ポリスチレン / 核磁気共鳴 / 拡散 / 粘度 / ラテックス |
Research Abstract |
水性会合性ポリマーとは、各種水溶性ポリマーの両末端もしくは主鎖に沿って疎水グループを配置したものであり、水性ペイントの粘弾挙動改質剤として注目を集めている。本研究においては、水性会合性ポリマー分子とラテックス粒子がどのように3次元空間を占めているかを解明することを第1の目的とし、アルキル変性ポリビニルアルコールについて、(1)水中での自己拡散係数の測定、(2)水溶液粘度の測定、(3)水溶液の光散乱測定、(4)(4)水中でのポリスチレンラテックスへの吸着測定、を実施した結果、以下の知見を得た。 1. 疎水基の存在は粘度を大きくした。また、分子量が大きいほど粘度は大きかった。 2. 疎水基の存在は自己拡散係数を小さくした。また、分子量は大きいほど自己拡散係数は大きかった。 3. 1wt%以下の水溶液中においては、使用したすべてのポリマーは会合していなかった。他方、3wt%以上の水溶液中で会合体を形成していることがわかった。 4. 上記会合体は約30分子のポリマーからなり、会合数に大きな分布は無いことがわかった。 5. 飽和吸着量から算出したアルキル変性ポリビニルアルコール1分子がポリスチレンラテックス粒子表面上に占める面積は、3から7nm^2であった。一方、極限粘度数から求めた希薄溶液中の1分子の半径4nmであったことより、アルキル変性ポリビニルアルコールがそのままの形で表面に吸着すれば、50nm^2の投影面積を占めることになり、吸着量からの値3-7nm^2と一致しない。これは、アルキル変性ポリビニルアルコール分子が多かれ少なかれかなり伸長した状態(ブラシ状)で吸着していることを意味している。 6. 何れのアルキル変性ポリビニルアルコールにおいても直径の小ポリスチレン粒子への吸着量が少なかった。これは、吸着媒粒子の曲率が吸着しだポリマー分子のブラシ状コンフォーメーションに影響を与えることと関係していると考えられる。 7. 5wt%のアクリルを含むポリスチレン粒子への吸着特性は、アクリルを含まないものへの吸着特性と差がなかったことから、5wt%程度の親水モノマーはアルキル変性ポリビニルアルコール吸着性に影響を与えないことがわかった。
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Research Products
(1 results)