1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650753
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
山口 學 姫路工業大学, 工学部, 教授 (10029506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 文義 姫路工業大学, 工学部, 助手 (00275306)
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Keywords | 電場 / 液滴変形 / 液滴分裂 / 液液接触 / 液滴分散 |
Research Abstract |
電極を備えた箱型小規模装置(縦70mm,横40mm,長さ110mm)を試作し,油相電場中の単一水滴の変形から分裂に至る過程をテレビカメラで実験的に調べた.実験はシリコン油に四塩化炭素を添加して油相と水滴の密度差を零にして油相中の静止水滴に直流および交流電圧を印加した.それは水滴形状の観察を容易にすることと落下あるいは上昇している水滴の場合には水滴内に生じる循環流が変形・分裂に影響を与えるのを避けるためである.水滴変形度の実測値は直流,交流印加電圧共に理論値と良く一致し,水滴変形度が印加電圧に対して推算可能なことを明らかにした.最大変形を与える印加電圧以上では水滴の分裂形態は印加電圧の種類により異なった.直流電圧印加では電場方向に引き伸ばされた水滴の両端は先鋭形状を形成し,その先端から微粒水滴を放出しながら分裂した.分裂した微粒水滴は連珠を形成して電極間で短絡を生じることがあった.交流電圧印加では水滴の両端は丸みを形成し,微粒水滴を放出することなく一気に数個の水滴に分裂する場合と一気に電極間短絡を生じる場合があった.これらの結果を電場設計や装置の安全操作の指針として油相電場中の水滴の分裂限界を表示する新しい無次元化図表を提案した. 実用化装置を想定して角柱塔型大規模装置(内側断面が一辺150mmの正方形,高さ1450mm)を試作し,電極は縦450mm,横120mm,厚み10mmの炭素電極で塔中央に設置した.油相にはシクロヘキサンおよび流動パラフィンを用いた.パルス電圧印加の電場中を落下する水滴は油相からの粘性抵抗と電気力の影響で三日月状に変形し,小規模装置の直流電圧印加の場合に観察されたと同様,水滴の両端から微粒水滴を放出しながら分裂したが,静止水滴の場合よりは複雑であった.ある印加電圧以上では水滴は一気に引き伸ばされ電極間を短絡し,複数個の水滴に分裂した.
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Research Products
(1 results)