1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650754
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
森 康維 同志社大学, 工学部, 教授 (60127149)
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Keywords | 無機ゲル / スメクタイト / 超微粒子 / 金コロイド / 粘土 / 水溶性高分子 / ゾル |
Research Abstract |
多くの機能性材料は微粒子や超微粒子から作られ,また微粒子が分散して始めてその機能を発現することが多い。しかし凝集力が著しく強いため,超微粒子の分散,安定牝手法の検討が模索されている。本研究では,高度に分散させると,触媒,非線形光学材料,あるいは表面増強ラマン散乱による分析に応用できると期待されている金超微粒子を取り上げ,金コロイドの固定化手法の開発を検討した。本年度は,合成スメクタイト粒子共存下では金コロイド生成速度が遅くなり,安定な固定化が可能となる理由を表面電荷の面から検討し,次のような成果を得た。 (1)負電荷を持つ共存物質として,シリカゾルを用いた。しかし共存物質の濃度依存性が全く見られなかった。 (2)正電荷を持つアルミナゾルおよびチタニアゾルを共存させた系では,ゾルヘの金イオンの吸着現象が観察された。共存ゾル濃度が薄いと金コロイド径は大きく,また三角形や六角形の形状が見られると共に,急速に凝集した。しかし共存ゾルが高濃度になると,金コロイド径は小さくなり,かつ安定な分散系となった。 (3)更にイオン性高分子水溶液中でも金コロイドを作成した。正に帯電しているポリ2ビニルピリジンでは,金イオンを吸着し,金コロイドの生成を阻害する。これが微小粒子を作成すると考えられるが,種々の形状の粒子が得られる結果となった。 (4)ポリアクリル酸ナトリウムは負に帯電しているが,生成した金コロイドに吸着し,保護コロイドとなる。このため,分子量と濃度を変えることで10nmから55nm径の金コロイドを得ることができた。 (5)粒子径を制御し,高度に分散した金コロイドを作成するには,合成スメクタイト粒子あるいはポリアクリル酸ナトリウムを共存させた系で反応を行えばよいことが判った。この理由は,静電的相互作用だけではなく,反応物イオンの拡散現象も考慮する必要があると考えられる。
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Research Products
(1 results)