1998 Fiscal Year Annual Research Report
球状氷結晶への硫酸イオン等の酸性降下物質の取り込み現象と溶解現象に関する研究
Project/Area Number |
10650756
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田口 洋治 新潟大学, 工学部, 助教授 (90018490)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
狩野 直樹 新潟大学, 工学部, 助手 (00272857)
木村 勇雄 新潟大学, 地域共同研究センター, 助教授 (00169921)
山本 仁志 新潟大学, 農学部, 助教授 (30018543)
青山 清道 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 助教授 (50018488)
|
Keywords | 晶析 / 氷 / 不純物 / Inclusion / 硫酸イオン / 硝酸イオン / リン酸イオン / アンモニアイオン |
Research Abstract |
氷結晶への硫酸,硝酸,塩化物イオンなどの酸性物質の取り込み現象と生成氷の溶解現象に関する文献データを収集・整理し,研究機関や個人から専門的知識の提供を受けた。硫酸イオン等の酸性原因物質の他にリン酸イオンとアンモニウムイオンを含む水溶液を用いて人工的に氷結晶を生成し,それらイオンの取り込み現象を検討した。その結果,次の結論を得た。 最初に,リン酸イオンとアンモニウムイオンを含む溶液を凍結し,溶解させ,生成時の氷結晶中への両イオンの取り込み現象を観察したところ,溶解初期に流出する溶解液中でのそれらの濃度は高く,氷結晶表面により多く濃縮していることが確認された。また,氷結晶の生成速度を遅くすると,より高濃度の流出液が得られた。氷結晶を溶解する場合,結晶を垂直円筒に充填し溶解すると,流出液濃度が高くなり,溶解方法により大きな差異が生ずることが確認された。この結果は,硫酸,硝酸,塩化物イオンなどの酸性物質の取り込み現象とほぼ同じであることが判明した。結果はいくつかの国際会議で報告した。 次に,0℃近辺の溶液を用い,純水で生成した氷結晶へリン酸とアンモニウムを吸着させたところ,アンモニウムよりリン酸の吸着速度が速く,比較的大きな選択性が認められた。0.2から0.5℃の範囲で両イオンともよく吸着し,10秒程度吸着させた時の吸着量が最大であった。吸着等温線はラングミュア型と推定された。 現在,ビデオマイクロスコープ等で氷界面の移動速度を測定し,この速度と吸着速度から凍結後の氷中のイオン分布を推定するモデルを検討している。
|
Research Products
(1 results)