1998 Fiscal Year Annual Research Report
分子軌道法による吸着構造解析を活用したエチレン吸着剤設計法の開発
Project/Area Number |
10650759
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田門 肇 京都大学, 工学研究科, 教授 (30111933)
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Keywords | 分子起動法 / 吸着構造解析 / エタン-エチレン吸着分離 / シリカゲル / 硝酸銀添着 / 塩化銅添着 / エチレン吸着選択性 / 添着質選定法 |
Research Abstract |
金属イオンを添着したシリカゲル表面のクラスターモデルを設定し,非経験的分子軌道法プログラム(Gaussinan94)によって構造最適化を行う.最適構造における全エネルギーE1を計算、する.また,エチレン,エタンの構造最適化を行い,全エネルギーE2を求める.モデル表面と吸着質が種々の配置をとる場合の吸着系の全エネルギーE1を計算する.△E.(=E2,+E3-E1)が相互作用エネルギーとなる.先ず,種々の金属塩とエチレンとの相互作用エネルギーを計算し,ΔEが最大となるように金属塩を選定した,次に銀イオンあるいは銅イオンを添着したシリカゲル表面でのエタンとエチレンの吸着構造最適化を行い,相互作用エネルギーを求めた.さらに,硝酸銀と塩化銅をシリカゲルに添着した吸着剤を含浸法,CVD法を用いて作製.し,エタンとエチレンの吸着選択性に実験的検討を加えた.その結果,以下の結論が得られた. (1) 金属塩-エチレンの相互作用エネルギーを分子軌道計算により.求めたところ,エタン-エチレン分離のための添着質として硝酸銀と塩化銅が適している. (2) シリカゲル上の銀イオンと銅イオンにおけるエチレンの相互作用エネルギーはエタンよりも格段に大きく,エチレン吸着選択性が発現する. (3) 含浸法により硝酸銀水溶液から沸点で硝酸銀をシリカゲルに添着できるが,塩化銅は含浸法でシリカゲルに添着できない. (4) 塩化銅を融点より若干低い温度で加熱し,発生蒸気をシリカゲルに沈着させるCVD法が塩化銅添着シリカゲルの作製に有用である.ただし,添着量を増加させるには数回添着合せる必要がある. (5) 硝酸銀または塩化銅添着シリカゲルを作製したところ.硝酸銀添着シリカゲルではエチレン吸着量はエタン吸着量の最大27倍,塩化銅添着シリカゲルでは最.大5倍となる.
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Research Products
(1 results)