1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650760
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Research Institution | KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
吉川 正和 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (60158417)
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Keywords | 不斉認識 / 分子認識 / 光学分割 / 分子インプリント / アミノ酸 / ペプチド / 膜分離 / 透過選択性 |
Research Abstract |
不斉認識部位として機能することが期待される新たな候補物資としてグルタミン酸誘導体(E)ならびにフェニルアラニン(F)より構成される8種類のトリペプチド誘導体に着目した。これらトリペプチド誘導体群が自己組織化し、自発的に不斉認識部位を形成することは考え難い。そこで、これら誘導体に簡易分子インプリント法を適用することにより、L-アミノ酸ならびにその誘導体をそれぞれ対応するD-体より識別する不斉認識部位へ変換することを試みた。 L-体がD-に比較して選択的に鋳型膜へ取り込まれていた。トリペプチド誘導体に簡易分子インプリント法を適用することにより得られた不斉認識部位の基質特異性を検討する目的で吸着等温線の測定を行った。その結果、Ac-D-Trpは鋳型膜と特異的な相互作用することなく、単純に吸着していると結論された。一方、L-体は非特異的な吸着のみならず基質特異的な吸着機構によっても吸着されていることが明かとなった。その結果、膜内に存在するトリペプチド誘導体すべてが不斉認識部位を形成するには至っていないと結論される。また、得られた親和定数からトリペプチド誘導体側鎖のアミノ末端に構成アミノ酸残基としてFよりもEが存在する方がAc-L-Trpに対して高い親和性を示すことが、さらには、不斉認識部位を形成するトリペプチド誘導体を構成するアミノ酸残基中にEが多く存在することにより不斉認識能が高くなることが明らかになった。
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