1998 Fiscal Year Annual Research Report
天然タンパク質の加水分解による生理活性ペプチドの新しい抽出合成法
Project/Area Number |
10650764
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
平田 彰 早稲田大学, 理工学部, 教授 (00063610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 義彦 日本学術振興会, 特別研究員 (00339748)
常田 聡 早稲田大学, 理工学部, 専任講師 (30281645)
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Keywords | 水性二相分配系 / 蛋白質加水分解 / トウモロコシ蛋白質 / 生理活性ペプチド / 抽出反応 / ACE阻害ペプチド / プロテアーゼ / 天然蛋白質 |
Research Abstract |
本研究では、(1)原料蛋白質としてトウモロコシ蛋白質(zein)を取り扱い、蛋白質加水分解酵素を用いた加水分解反応によって、所望の抗圧ペプチド(昇圧系酵素であるアンジオテンシン変換酵素の阻害ペプチド)の選択的生成を制御する事、及び(2)酵素反応系として水溶性ポリマーが形成する水性二相抽出法を利用することによって、分離・精製工程の簡略化を達成し得るプロセスを構築する事、を目的に研究を行い、以下の成果を得た。 1. 最適加水分解酵素の探索 α-chymotrypsin、papain、thermolysin等の蛋白質分解酵素を用い、水ー相系においてzeinの加水分解実験を行った所、疎水性アミノ酸への特異性が高いthermolysinを用いた場合に最も高い分解率が得られた。 2. 反応媒体の検討 thermolysinを用いた水性媒体中におけるzein加水分解率は、若干2%であった。しかし反応媒体中に水溶性有機溶媒を添加し、zeinの溶解度を増大させることによって、20wt%近い分解率が得られた。又、水溶性有機溶媒を添加した水性二相分配系においては30wt%近い高い分解率が得られた。 3. 水性二相分配系における蛋白質、限定加水分解物、低分子量ペプチドの分配挙動 ポリエチレングリコール(PEG)-デキストラン(DEX)二相系においてzein、限定加水分解物、低分子量ペプチド、及びthermolysinの分配比を測定した所、疎水性蛋白質であるzeinは選択的に上相(PEG-rich相)へ、低分子量ペプチドは下相(DEX-rich相)へ選択的に分配する事が判った。又、限定加水分解物は両相へほぼ等しく分配した。 4. ペプチド群のACE阻害能の測定 生成したペプチド群の生理活性を測定した結果、下相に選択的に分配した低分子量ペブチド群のACE阻害能がnative zeinよりも強くなっている事が判った。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Murakami Y.et al.: "Enzymatic synthesis of N-formyl-L-aspartyl-L-phenylalanine methyl ester (aspartame precursor) utilizing an extractive reaction in aqueous/organic biphasic medium" Biotechnol.Lett.20[8]. 767-769 (1998)
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[Publications] 村上義彦,平田彰: "酵素を用いたペプチド合成" 生物工学会誌. 76[6]. 238-254 (1998)
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[Publications] 村上義彦ら: "選択的生成物分離操作を伴う細胞破壊遮蔽ペプチド(masking into cells)前駆体の連続酵素合成" 化学工学論文集. 25[2](掲載決定). (1999)
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[Publications] 村上義彦ら: "界面活性剤被覆酵素を用いた有機溶媒中におけるキョートルフィン前駆体の酵素合成" 化学工学論文集. 25[2](掲載決定). (1999)
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[Publications] 村上義彦,平田彰: "水性二相分配系におけるトウモロコシ蛋白質(Zein)加水分解によるACE阻害ペプチドの生産" 化学工学論文集. 25[2](掲載決定). (1999)