1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650766
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Research Institution | Graduate School of Engineering, HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
竹澤 暢恒 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60001715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩佐 信弘 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30223374)
藤田 進一郎 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80156869)
下川部 雅英 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40125323)
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Keywords | Pd合金触媒 / Pt合金触媒 / アルコール脱水素 / ギ酸メチル / ホルムアルデヒド / 水酸化分解 / 脱カルボニル |
Research Abstract |
PdあるいはPtをZnO、Ga_2O_3、およびIn_2O_3に担持することにより、エタノール脱水素によるアセトアルデヒドあるいは酢酸エチルの生成、1―プロパノールの脱水素によるプロパナールの生成、ギ酸メチルの水素化分解によるメタノールの生成の選択率が特異的に高くなることを見い出した。特にPd/ZnO触媒は、従来利用されている銅系触媒に匹敵する活性および選択性を示すばかりでなく、銅系触媒よりも格段に優れた熱安定性を示すことを明らかにした。 触媒の状態分析(XRD、TPR)を行った結果、前年度行った反応(メタノール水蒸気改質、メタノール脱水素、酢酸エチルの水素化分解)と同様、上記の反応に対して高い選択性を示す触媒では、担体の一部が還元され、PdあるいはPtとのバイメタル合金が生成すること、また、合金相生成に伴い選択性が格段に増加することを明らかにした。一方、選択性の低い他の担持PdおよびPt触媒では、金属PdおよびPtのみが生成することを明かにした。 反応機構を検討した結果、合金触媒では、エタノールの脱水素、あるいはギ酸メチルの水素化分解において、反応過程で生成するCH_3CHOあるいはHCHOは分解せず、C_2H_5O-や水素の攻撃を受け、それぞれ、酢酸エチルおよびメタノールを生成することを明らかにした。一方、金属PdおよびPtが存在する触媒ではCH_3CHO、HCHOは容易に脱カルボニル化し、CO/H_2あるいはCH_4/COに変換することを明らかにした。また、1-プロパノールの脱水素でも生成するプロパナールが容易に脱カルボニル化してC_2H_6/COに変換することを明らかにした。これらに基づき、合金化により、アルデヒド中間体が安定化し、特異な触媒特性が発現することを明らかにした。合金上のこれらの反応機構は先に我々が明らかにした銅系触媒上の反応機構と類似しており、PdあるいはPtとZn、GaあるいはInとの合金化により銅類似の触媒特性が発現することを明らかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] S.Fujita: "Vopor Phase Methylation of Pyridine with CO-H_2 over a Ni Catalyst"React. Kinet. Catal. Letters. 67. 9-12 (1999)
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[Publications] 竹澤 暢恒: "二酸化炭素からのメタノール合成―反応機構と触媒"季刊 化学総説. No.41. 189-194 (1999)
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[Publications] S.Fujita: "Vapor Phase Methylation of Pyridine with CO-H_2 over a Metal Catalysts"Appl. Catal., A General. 185. 323-327 (1999)
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[Publications] N.Iwasa: "Difference in the Reactivity of Acetaldehyde Intermediates in Dehydrogenation of Ethanol over Supported Pd Catalysts"Catal. Letters. 62. 179-184 (1999)
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[Publications] 岩佐 信弘: "担持PtおよびPt触媒の合金化による触媒特性の変化(解説)"触媒、印刷中. (2000)